Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

これもまた

ゆっくりとしたペースで進む月末で。後半の華やぎもないままに”本来なら、もう少し?”とのコメントまでいただいた現実でしたが。
そんな晩ながらも昨夜はご常連さんのいつもながらのこれもまた素晴らしい!の赤の2本と初めてのご来店ながらも甘美な白を。
・Gewurztraminer Selection de Grains Nobles’94 Marcel Deiss
・Stag’s Leap Wine Cellars Cask23’93
・Chateauneuf du Pape Pignan’98 Chateau Rayas
初めてのご利用に、お恥ずかしながらもあの如何わしさ前回のエントランスを乗り越えて地べたに並べられた空きボトルの数々に魅かれてお越しに。うーん、やはり並べてみるものだなー、と妙に。そしてじっくりと眺められたリストの結果がまた頷けるアルザスの最愛の造り手マルセル・ダイス、しかもセレクション・グラン・ノーブル。まあ、この選択は少なからずに知識と経験が問われるでしょうから・・・・・・。
残念ながらボロボロのコルクに見せ場は儚く。ただ、中身はやはり素晴らしく。ソーテルヌのような個性は無いもののピュアなアルザスの街並みを偲ばせる美しい逸品。お店選びにも嗅覚と相性は有られると思いますが。
今回は余計なことはつぶやかず、ワインにまとめて。ヴィンテージ’73ならばボルドーを打ち負かした記念碑的な1本のこのカリフォルニア。牡鹿が跳ねる谷あいのワイナリーが表現される絵画的なエチケットにも魅せられますが、やはりエレガントで少しカリフォルニアに厳しさを離れたスタイルに。15年の熟成も後押ししてしなやかで滑らか。シルキーとはこの姿で密約を交わすが如く。
やはりこのピニャンはレイヤスのセカンドの位置づけ以上の存在感を。先日の’02以来実は頭から離れず。今更かもしれませんが麻薬の如くこのグルナッシュの特別な世界感に迷い込むように。’98はなりに開けたてから誘惑的な華やぎを約束してくれ予定通りのアフターの噛み締める甘みは極上のいやらしさ全開で。思わず再オーダーを掛けてみましたがやはり時既に遅し・・・・・・・。義理の息子さんのエマニュエルも中々やりますな。買いです!

              Sommelier R.Imamura