Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ヴィンテージ’47

27日の火曜日は、ソムリエ奥野の大遅刻に始まり今宵のツキを失った感が。前半のゆっくりとした時間帯も気がつけば日も変わる頃、ストックを抱えるムッシュが舞妓さんを引き連れて。今宵は三人でのご来店、上機嫌にお支払済みのボルドーのグレート・ヴィンテージ’47を。
・Chateau Pichon Longueville Baron’47 

1933年にピション・ロングヴィル家からこの畑を購入したジャン・ブテイユは、確立された市場とワインの評判の良さに順調なワインを造りだしていた。1961年の彼が亡くなるまでの間の代表作が、この’47と’53だと言われる。ラトゥールの斜め向かいに建つこのシャトーは、バロンの名の通り「男爵」のスタイルですが約60年の時を経て開封されたキャップ・シールとコルク上部からはカビの臭いが強く放たれており、抜栓も容易ではなく無残なまでのボロボロに。テイスティングに頂いたワインからはカビ臭さは取れず悩ましさが・・・・・。ですが、健全な色調から少しずつ眠りから覚めるかの様に香りは立ち上がり、フレッシュのザクロのような酸味も心地好く。
このムッシュは、昨年亡くなられた、ひとつ年下のこのワインと同じ年の弟さんを思い出されていたようでした・・・・・・・。このワインを購入頂けた理由にそんな事もあったのかと改めて感慨深い思いに。
               Sommelier R.Imamura