Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ああ、寂しく

急激な動きがあった次の晩は、大体穏やかなもので。昨夜も静けさに包まれお書きすることも考えてしまうほど。ただ、体調を崩されていたマダムのお越しに安堵と相変わらずの芸妓さんの元気に救われるような気も。
・Ribolla Gialla’99 Radikon
そういえば忘れておりました、土曜日の饗宴でマグナムが2本開けられておりましたがデュクリュ’76とこのラディコンを。今宵は僅かに残されていたこのリボッラ・ジャッラをグラスで。コッリオ、スイスの近いイタリアの北部でビオ?なんでしょうね。特別な色合いを感じさせ、通を唸らせる極上のひね感は時間の経過と共に一段と。ただ、いつもの芸妓さんにはテイストの異なる選択だったでしょう。シェリー様のアロマに拒否反応は見て取れ、体験していただく間も束の間の。まあ、お人を選ぶというのも嗜好品の面白みで。
後、土曜のご夫婦の開けられたピション・ラランド’88にノスタルジーを自宅の冷蔵庫前で。思い出と言うものは、突然頭の中を渦巻くものでワインとは正しくそんなものの最たるものでしょう。3、4年前になるのでしょうか?お二人のご旅行のお土産に、マグネットが付けられたワイン・ボトルの形状のグッズでした。最近は子供のおもちゃにも扱われてしまい、やや無残な扱いもありますが頂いたこのひとつは完全にボトルの形状と忠実に再現されラベルもしっかりと作られ、そして1988と偶然でしたか書かれており。
あっ、あの時ひょっとしてあのご夫婦はこのことを考えておられたのだろうか?とソムリエなりに考えてしまいました。本日の起床も下の子の泣き声に起こされリビングに下りミルクでも温めようかな、と動いた際に床に落ちていたこのマグネットが全てのきっかけなのですが。
お客様とのお付き合いと言うものもワインを介してこんな感傷的な気持ちになれるのも私自身が少し弱い心を持つ所以なのでしょうか・・・・・・・・・・。
ただ、こんなスタンスでずっとワインを皆様にお届け出来ればソムリエ冥利に。

              Sommelier R.Imamura