Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

バタール

祇園街南側の恵比須さんが始まりこの界隈にも動きが出てきてくれることを臨む本日の出勤でしたが、個人的には数年前に購入した自宅が伏見稲荷さんの最寄になる為こちらにいつも。
さて、昨夜は祇園街では始業式と言われる日。連日の芸妓さんのご利用にありがたく。
・Batard Montrachet’85 Louis Latour
・Chateau de Fonsalette Cuvee Syrah’97 Chateau Rayas
連日ながらもお連れが変わられて今宵は新年のお年玉がわりとも言うのでしょうか?昨年末より随分と出費を多くさせてしまい。
白をお飲みの機会がほとんどな芸妓さんだけに選択肢を何本かお持ちしましたが、意地悪ともいえるトラップのバタールを1本。まあ流石にソムリエの資格もお持ちのムッシュは当然気付かれておられましたが、”今村くんは何が飲みたいの?”とのことでしたが明確には答え難いものでしたので。
ただ、折角なのでとのお言葉に甘えさせていただきました。
バタール、微妙な意味合いの名前ながらもこちらのお二人にはそんなきわどさなどは微塵も。大手ネゴシアンながらも’85の熟成感を存分に味わえるグラン・クリュ。トロリとした液体には初詣の屋台で舐める林檎飴のような味わいにも。
当然のようにシガーをムッシュと共に。芸妓さんのお着物にも紫煙は忍び寄る形になりましたが、そこはご理解を後半までは。
それにしても白のフィネスには赤がたじろぐ変えがたい次元まで。
嘗ての同僚のソムリエ寺林さんのお越しに後半は赤をお付き合い。兼ね合いのある店舗を何件かあいさつ回りを兼ていた昨夜だったようです。律儀なところに人柄が見え。
久々に交わす嘗ての飲み友達との思い出のワインはジャック・レイノーを。以前はシャトーヌフを開ける悪さもございましたが、現状ではこのフォンサレットでも十分でしょう。変わらない特有の妖艶な香りにはいつも驚かされるものですが、滑らかなシラーの質感までもグルナッシュをメインに考える彼らの手に掛かれば。
正に世代交代のヴィンテージではありますが、個人的な変化と年齢を同じくするまた一人のソムリエの今後にもやや考えさせられながらの〆の1本で。

        Sommelier R.Imamura