Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

そお言えば

何だか解からないのは、何故か私どものゲストは同じ日に集中するもので。昨夜の閑散とした雰囲気は特に後半には感じられず。
前半で印象的だったのは、ご常連さんのお父様に連れられて来られたご子息はワインに興味を持ち始められたばかりのようで少なからずの質問攻めに。個人的にはこのようなシュチュエーションも状況が許す限りは、楽しいもので。味わいやグラスの形状など、ワインの世界にも何かと物理的にも理由があるもので理詰めでご説明差し上げると理解をされるのもまた面白く。
さて、今宵は久しぶりかな五大シャトーは特にこの安定感を感じさせる
・Chateau Latour’68 Pauillac
”1951年以来の不作の年であることは異論の余地なし。味の希薄な酸味の強いワイン、ほとんど残っていない。手を出さないこと。”
このコメントは決して私のものでは無く、ワイン界の権威のマイケル・ブロードベントさんのもの。うーん、そうかなー?確かに’70や’61のように充実した質感は見られないものの鮮明に感じられる果実味と柔らかい酸とのバランスは美しく、ボルドーのフィネスはこのあたりにも。
ムッシュは私共と同じ価格で’04のラトゥールを飲まれる機会が今宵も。甘えついでではございますが、私どもでも(おかしいか)。おそらくムッシュには十分ご理解された模様でしたが、お連れのマダムには重大な懸案が今宵は有られたようで、それどころでは・・・・・・。
例によってこの時間帯などは、お顔見知りになられた方もおられ少しお裾分けいただけましたがマダムはご機嫌で今宵最後の1杯を飲み込まれ、タクシーに。医療機器メーカー社長兼ソムリエのムッシュはブラインドでヴィンテージを当てる試練が与えられましたが、これは難しいでしょう。予想以上に綺麗な姿を保っていたので・・・・。でも、こんな時にブラインドに対してカンニング行為に至るかの如くジロジロとボトルを眺める行動はいただけません。まあ、私も意地悪でしたが時間帯によってはいかつい状況でも中々和やかなワイン・バー事情が展開されるのもご常連様あっての現実かと。
それにしても、オフ・ヴィンテージにはラトゥールを選べは正しく定石通りでしょう。たまには五大シャトーも扱わせていただければ・・・・・。贅沢ですが。

              Sommelier R.Imamura