Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

プロヴァンスの贈りもの

昨夜も後半のご常連さんによる帰れない長い晩になりました。
今宵は中盤にお越しに為られた、かなり年配のカップルに心躍る感覚を。
・Chateau Vignelaure’00 Peter Mayle
初めてのご利用でしたが、マダムは仏門に入っておられる方のようでしたがお二人のチャーミングな雰囲気に閑散とした店内も何処かしら幸せな空気を。ムッシュのリクエストには解せないやり取りがございましたが、それはそれで気を取り直しながらのお勧めを。
現在公開中なのかな?映画”プロヴァンスの贈りもの”この作者のピーター・マイルさんの作り上げるワインを。映画のストーリーは亡くなった叔父さんの所有するワイン畑とシャトーを相続するパリのビジネス・マンがプロヴァンスの田舎のレストランの女性オーナーとのラヴ・ストーリーを絡ませながらゆっくりと流れる葡萄畑と意識の変化を伝える物語。ラッセル・クロウの好き好きはございますが、未だ見れていない私にとってはこの夏一番の興味深い1本では。
そんな心ときめく雰囲気を感じさせるお二人には、残念ながらこのストーリーをお伝え出来ませんでしたが十分に堪能された様子でお帰りになられる様は素敵な瞬間でしたが。ちなみにワインはプロヴァンスの赤ワインで比較的柔らかい果実味主体のタイプ。燦燦と降り注ぐ太陽が葡萄を十分に完熟させ教養溢れる造り手の哲学が詰め込まれたもので。
後半は祇園街らしい感じではありましたが、意外にここにも物語は存在しており思い出のイタリア・ワインを2本。ラツィオ、ローマのワインを
・Montiano’96 Falesco
・Taurasi’97 Feudi di San Gregorio
社長には悪かったですがお隣のマダムのやや寂しげでありながらも大切な思い出話に思わずお出ししてしまいました。18歳の時にお母さんとの最初で最後のフォーマルなディナーを取られたのがローマのサヴァティーニだったそうで今は亡き母親との繋がりが実はタウラージだったそうで。造り手は残念ながら異なりましたが、タウラージ最大の造り手マストロベラルディーノのものをその時楽しまれたのが他のゲストのラベル・ブックから見つけ出されたことに高揚感は隠し切れない様子でした。
ワインとは・・・・・・・・・・・・・・。

            Sommelier R.Imamura