Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

お持込み

6月の最終日は、気が早く23:00くらいから”つぶやき”を。月末の今宵はダイレクト・メールのポスティングに行く予定もあり後半に不安も。そんな中、前半にはご常連のご夫婦のバースデイのご利用が。以前よりお預かりさせていただいていた五大シャトーのヴィンテージを。
・Aille d’Argent’02
・Chateau Mouton Rothschild’67
もう一本の白ワインをお持ちになられるとのことでしたので、予想はしておりました。おそらくこの銘柄でしょうと。ムートンが手掛けるボルドー・ブラン、近年は品質的にも非常に安定してきたシャトーも多く以前の捉えどころの無い状況は比較的少なく。また、酸味が強く残りがちだったこのエリアも何処かしら温暖化などの影響も含めて一変した感も否めません。
しっかりと太陽を浴びた葡萄が想像出来る粘性の高さは、意外にニューワールドにも負けないくらいで柔らかい酸と果実味のバランスが素晴らしく。まるでトロリとした大人の蜂蜜レモンのようで。
お生まれ年のムートンは以前、私共でも試されてはおりましたが手に入れておられ。やや平坦なヴィンテージながらも’67は特にトップ・シャトーに於いてはその評判はまた別に感じられるくらい楽しめるものもたくさんあり。流石にこの段階では残念ながら2級に格付けされていたムートンでしたが砕けながらも何とか抜栓が為され。色合いや香りも何ら問題は無く、ただこの数年の間にも表情をはっきりと変え色々な階段を下りていく印象は否めない部分も・・・・・。それでもここから数年後にはボルドーの100年以上の歴史を変える偉業を果たすなりのポテンシャルは十分に。そんな背景に見入りながらの特別な晩はご夫婦のまたひとつ増える思い出になられれば幸いです。それから、頂き物までありがとうございます。

               Sommelier R.Imamura