Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

寒天に合うワイン

月末の金曜日は、お客様商売の難しさと楽しみも。生意気ながらご常連様を中心に考えてしまうと嘗てのスタイルなのか会員制のお店の意図が良く良く理解出来ます。
もし、ワイン・バーだと認知していただけるのであればビールだけでのご利用は出来ればお避けいただきたい。まあ、受け入れれてしまう状況にしかなかった自分達の営業努力の不足は否めませんが・・・・・・・。
さて、愚痴はこれぐらいにして東京からのご常連さんは久しぶりに。今宵は難題を抱えてお越しに。寒天ですね、全体はブルーの背景というか星空に見立てられ月夜が描かれた和菓子のようなもので。今宵はこちらに合わせて何かワインを。頂いたことがないものでしたので、少し端の部分を。やや、弾力の強いゼリー状でほのかに残るオレンジの味わいのリキュールが使用されていた印象でした。個人的にはグチュッとした食感の食べ物は好きなほうですので面白く。まあ、味以上に鮮やかな外見に心は前向きになれるものでしたが。
さて、この上御代は基本的には辛口の白ワインで10年ぐらいの熟成を!とのことでしたのでヴィンテージはきっちり’97に。
・Hermitage Le Chevalier de Sterinberg’97 Paul Jaboulet
お連れの方は南アフリカとかアルゼンチンとかおっしゃられていましたがムッシュははぐらかされながらやはりヨーロッパをご所望のようで。ローヌの古典的な造り手、ポール・ジャブレ。彼のステランベルグは、早い段階からやや意図的に仕上げられたようなシェリー香が香り立ち、若ければシャープに酸が現れて余韻に円い果実の熟成感が引きづります。個人的にはリストに含まれるもうひとつのヴィンテージ’92が充実した熟女へと昇華しており好みですが、今回の甘く粘りのある食材には活き活きとした溌剌さも感じさせてあげられる’97は正解だったかも。
これにより何とか私自身は、冗談でおっしゃられた割り勘の頭数からは除外いただけました。
こんな楽しみ方も、ある種大人の時間では。

               Sommelier R.Imamura