Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

つづき

上手いこと立ち回りしながらもこの方がお越しのあたりから少しづつ。
今宵は’91を2本。ソムリエの資格を持たれるムッシュは、恐縮されながらもスクリーミング・イーグルの澱を。アメリカ人の義弟をお連れの時は何時もボルドー・スタイルで。
ヴィンテージによっては兄貴分のオー・ブリオンをも凌ぐ味わいに人気も理解出来ます。ボルドー市外の瀟洒なお城は、旅の気分を盛り上げてくれるワイン産地の玄関口かと。
柔らかくまとまるほろ苦いボルドーのスタイルに、やはり先の1本はカリフォルニアだと実感いたしましたが。
もっとパワフルなものを。そんなリクエストにガヤのダルマジを。’91で合わせて彼に力強い長熟さを改めて。”なんてこった”そんな言葉とは裏腹に何時の世も先頭を走り続ける彼の野心の結晶が。
お待ちいただいたマダムには、こちらも稀少なドムスの’97を。バック・ヴィンテージの無いものはそれはそれで大切に、ですがお着物ながらも手強いマダムにはこのドムスの個性的なアロマと質感に訴えて。
最終はブルゴーニュを。ただ、この前に忘れていた2本を
・Chateau Cos Labory’64 St Estephe
・Chateau Lynch Bages’64 Pauillac
狭いものでドクターの二組が偶然。で、先にボルドーを先生のお生まれ年の’64で。サンテステフらしい力を誇示するコス・ラボリは45年でも十分なワインの偉大さを。
ただ、今宵は2本目のランシュ・バージュに古酒の神秘性を。ポテンシャルは格付けとはまた別なものでありそして出会いでも。
ただ、この後お見送りになられてから飲みなおそう!とおっしゃられ本音が出られたのも人間らしくて好感を。
まあ、あのドクターがおっしゃられるのですから間違えない方かと。で、アペラシオンはそこそこではありますが偉大なヴィンテージの’59のサヴィニーは、今宵の憂いを晴らされるには格別の1本で。先の’64のボルドー2本よりも活き活きとした果実味と何よりも気を許されるお二人でシガーを燻らせながらの素敵な時間に違いなく。
ふう、終盤に洗いものもひと段落しましてご一緒出来たのも幸いでした。

             Sommelier R.Imamura