Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

エチケットの破損

何故か集中するもので、前半から祇園復帰のお姉さんなどそれらしい時の流れに身を任せておりましたが。
・Jacques Selosse INITIALE Brut
・Clos Saint Denis’88 Bertagna
本当に気を許されておられるのか、基本的にはポーカーフェイスのムッシュですがこちらのお連れとおられる時は時間帯もバラバラであり落ち着きも。
シャンパーニュからのスタートは、折角なのでジャック・セロスの十分すぎる味わいのスタンダード・キュヴェを。ばらつきのある彼のシャンパーニュながら、大きなハズレがなければやはりそのクラスでは最上の1つでしょう。ただ、その品質の為正規輸入元と並行ものの価格の差が倍も違うのには驚かされます。たった1本しか毎年分けていただけないものの、西村さんからいただく正規のこのボトルは感謝の気持ちで。
ただ、2006,10,24にデゴルジュされたこのボトルの裏張りは他社さんのもので価格的には高価なボトルではありましたが・・・・・・。
こちらにお勧めのターゲットとして決まっておりました、エチケットが破損しヴィンテージの1988の記載部分が”8”としか確認出来ずキャップ・シールももう切り取られており。納入価格が幾分抑えられ、お買い得なブルゴーニュのグラン・ヴァン。個人的にも好みのドメーヌ、ベルターニャ。ヴィンテージ・シールが無くとも明らかに’90年代では出し切れない熟成したブーケに酸が果実味に綺麗に溶け込んだ上質なピノノワールは後半の幾らか飲み込んだ私の体にも染み入るような極上の特級酒で。お隣のクロ・ドラ・ロシュに比べれば幾分ひねた質感を特徴とするアペラシオンながらヴージョを拠点とする安定路線を計る彼等の味わいには面白みよりも美しい味わいが何より。
最後の1杯はムートン・ロートシルトのプルーンのオード・ヴィーを。ボトルの中身も無くなりかけのこの1杯は、酸化を促されており開けたてとは比較にならない優美な芳香を放ち、刺々しさも完全にまろやかさに変化しており。マールではなく、心持ちネガティブな部分もありましたが流石にトップ・シャトーはこの辺りのも抜かりがなく。

             Sommelier R.Imamura