Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

オーストラリアの巨人

動きが有るときは、綺麗にご常連さんのお顔が見えてくるもので。待ちわびたグラン・ヴァンの抜栓に昨夜は高揚する気持ちも。正しくワイン・バーらしくそこの携わらせていただくソムリエ冥利かと。
・Pinot Noir’96 Grosseto
・Chateau Dassault’84 St Emilion
・Penfolds Bin95 Grange’80
・Lanson Brut’82
ホテルさんのコンシェルジュの方からのご予約は、何処かしら上質なゲストを期待させてしまうものです。十分なオーストラリアの艶やかなピノ・ノワール、熟成感も出ておりブルゴーニュのボーヌがイメージに浮かぶ幾分過熟ぎみの果実味で。それでもニュー・ワールドらしからぬ酸の深さにこの造り手の技量が見えてきます。
今宵はマダムおふたりでのお誕生会でしたか。年頃とは言えクリスマスとバースデイを何となく残念でしたので、お生まれ年をグラスで。先にお飲みになられたチリのパワフルなカベルネをボトルで好まれるマダムには柔らかすぎたかもしれませんが’84らしさを十分以上に感じさせてくれる、云わば弱さをも感じさせるダッソーで。
中盤以降が今宵のクライマックスで。憧れのワインを今宵もムッシュに宛がっていただいたような気がいたします。オーストラリアの巨人”ペンフォールズ”最上のキュヴェ「グランジ」は50年の熟成が必要とも言われるモンスター級の密度濃い果汁に圧倒を。ヴィンテージ’80は評価も中々で期待通りのプラム・ジャムを印象付ける素晴らしく濃密なワインで。強さは否めませんが意外にまとまりの感じられるヴィンテージ’80のスターでしょう。
〆はシャンパーニュで。絵に描いたような私の好みに筋書きが出来上がるとは思いもよらぬ幸運でした。やはり、熟成はヴィンテージ・シャンパーニュプレステージ・クラスにも引けを取らないクオリティまで押し上げてくれるような。正しく大人の蜂蜜レモンのように甘いアタックに円く味わい深いアフターが引きずられる夢見心地な贅沢で。
今年もこちらには随分と素晴らしいワインをご相伴させていただきました大晦日にもお待ちしております。
それと先日のやりすぎてしまったドクターがお越しになられたのには心落ち着かせていただき・・・・・。

             Sommelier R.Imamura