Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

コート・ド・ボーヌの2本

今週のスタートは、ゆっくりと。今宵のワインはブルゴーニュ・ラヴァーが2本のボトルを。
・Pommmard Les Jarollieres’94 La Pousse d’Or
・Volnay Les Champans’97 Joseph Voillot
今回の入荷の目玉でした。珍しく12本のケース買いを即決させた、コート・ド・ボーヌの上質なドメーヌ、プス・ドール。グラス・ワインでも登場の機会が頻繁な馴染みの深い彼はこのポマールでも素晴らしい仕事を。
ヴィンテージ’94はこのドメーヌにとってはやや力を疑問視されてしまうところも指摘されていましたが、そんなことは微塵も。プルミエのポテンシャルを遺憾なく発揮し、華やかに拡がる果実のコンフィが想像され次第に朝露に濡れた山道に迷い込んだようなシーンを脳裏に浮かべることに。
ただ、このワイン最初のホスト・テイスティングの時に小さな物言いが付きました。「このワインはどうや?」とのことでしたので「何か、問題が?気になる香りがあるようでしたら取り替えますが」との応えに「少し酸が強く、苦味が気にならない?」でしたが。結果的には中盤から「ごめんな、甘みが出てきて良く鳴って来たよ」とのお答えにとても紳士的なお気持ちを感じ取れました。「こんなものだと思いますが・・・・・」と言う返答にはもう少し何か添えて差し上げるべきでしたが、やりとりとしては出過ぎないことも。
解かり易い応えとして2本目のご注文があったことが幸いでした。ヴィンテージは若返ってしまいましたがポマールとヴォルネイを一晩で楽しめるなんて贅沢な。どちらもプルミエ、ましてやどちらも10年以上の時の重みを感じさせる熟成されたもの。一段とプルーンのニュアンスが強く感じられ、かなり豊満な果実味に表現の方法は様々で。
貸切の状態で幾らかお話を交わしながらの出来事、ブルゴーニュしかお飲みになられないムッシュはお久しぶりでしたが結果良ければの今宵であれば幸いです。
ちなみに今回のポマールは私的にはお勧めの1本です。ボトルにて¥15,000−にて。如何でしょうか?

               Sommelier R.Imamura