Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ボルドー

金曜日までの我慢と腹は括っていたのですが、少しだけ前向きに動く昨夜の流れで。
・Chateau d’Armailhac’94 Pauillac
・Chateau Phelan Segur’86 St Estephe
前回のご利用時に後半のやりとりが非常にナイーヴな会話で。案の定間が少し開いてしまい心配しておりましたが、問題は回避されたようで。
個人的にも本当の意味に於いてもボルドーのグラン・ヴァン・クラスでは、出来ればこれくらいの熟成感を楽しみたいものです。以前はカリフォルニアのパワフルなカベルネ・ソーヴィニヨンに執心されておられたこちらのお二人もブルゴーニュを含めてしなやかな熟成感を楽しまれるように。
ただ、この辺りはお好みが左右されるのですがブルゴーニュはややタンニンの質感に物足りなさを感じられるようでこのところはボルドーの幾分熟成したボトルを。まあ、全てお任せでの選択ですのでお客様には意思は大きくは出されない部分なのですが。
’94ですら、もう14年の熟成なのですね。ただ、やっとタンニンの質感も滑らかにそして果実の甘みも酸が穏やかで優しく。偶にはマダムのお休みの日でもありましたので、おそらくは2本のボトルを開けられる可能性がかなり。何れにしても私の担当分もやはりグラス2杯分はございましたが。
ブルジョアながらもサンテステフのこのシャトーは、この素晴らしいヴィンテージに於いて特級を凌ぐ味わいを。そう言えば、映画”ハンニバル”でレクター博士が最後のシーンで飛行機で逃走するシーンにこの銘柄はしっかりとスクリーンに登場していた記憶が。おそらくはファースト・クラスなのでしょうが持ち込まれたおぞましい人間の脳みそのソテーを食されながら・・・・・・。残念ながらヴィンテージまでは確認できなかったのですが、この組み合わせのマリアージュに関しては控えさせていただきます。
この’86は今がベストと言うくらい教科書通りのスー・ボアを放ちながら少しキャラメルのようで、またカカオのニュアンスをひしひしと。個人的には一人で機内でいただくよりもしっとりと女性と楽しみたい1本。今回も私がお邪魔虫ではあったでしょうが、お許しを。

             Sommelier R.Imamura