Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

影干し

先週末の土曜日を振り返る前に悲報が。最近やはり世代交代も合わせてひとつの時代を語る上での大切な人物が亡くなられるニュースが多く。カリフォルニアを語る上では避けては通れないロバート・モンダヴィさん。亡くなられたそうです、後半はオーパス・ワンなどの経営状況に色々と感じさせられるものも有られたのではないでしょうか。安らかに。
さて、土曜日もなりにバタバタと。先週は中々全ての日を忙しくさせていただけ体力的にも大変でしたが、楽しい一週間ではあった気がします。
・Bolla Amarone’64 Cantina del Nonnna
現在でのボッラのアマローネとは、エチケットの表記が異なるスタイルでしょうが影干しワインのアマローネ。久しぶりのマダムの帰京にて、お食事後のゆっくりとしたバー利用で。やはり東京でのビジネスはお忙しいようで、まともな食事はあまりとられてはおられないそう。まあ、偶にはご夫婦でつかの間の優雅な時間をお楽しみいただければ。
個人的にもイタリアでももっとも好きな州、ヴェネト州の特殊なワインのひとつアマローネ。もう、何年前だろう現地に訪れた際にこのワインの格下のラインのヴァルポリチェッラが延々と浴びるように出されたのを記憶に。いつになったらこのクラスの瞑想にも浸れるようなアマローネが、と待ったものですが。やはり、この感覚が日本人の贅沢なものなのでしょう。おそらくごったがえすように流行ってはおりましたがエノテカと言うかワイン・バーのようなカジュアルなこのお店では周りのほとんどのゲストは同じヴァルポリチェッラを飲まれていたのも記憶に。
さて、今回はいつものローヌやブルゴーニュとは異なるスタイルのワインなだけに初めの印象はマダムの反応があまり無かったのは正直なところでしょう。ただ、やや野暮ったい香りから徐々にプルーンのような煮詰めたジャムの味わいが出始め、やはり40年以上の時の流れにも枯れずに果実のパワーを力強く。アマーロ、苦いと言う名ではあるもののいつも甘い思い出を感じさせられる私好みの赤のもう1本。
サン・マルコ広場など歴史と文化の異次元な感覚の雰囲気を感じずにはいられないヴェネチアの記憶もまた蘇り・・・・・・・。

             Sommelier R.Imamura