Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

続き

こう書いてしまうと失礼かもしれませんが、モラルを問われる1本でした。サロンは実はこの’71、ヴィンテージ表記がまた上手に消えており。かすかに確かに’71と微妙に見えるものの目が良くない方には全く・・・。
ですが購入先の方からは、間違えなくとのことでしたので頂きましたがこのサロン、ヴィンテージによってエチケットの素材が異なるのは周知の事実で。その予防線も虚しく正規のラックさんにも確認依頼を差し上げましたが難しいご返事も。
その旨お伝えするべき、異例の1本になってしまいましたが今宵は実はDRCの赤白の最高位をご利用いただく予定でしたムッシュが当のご本人が来られずお取り巻きのみで。まあ、お一人はその方をご紹介いただいたそれ以前からの顧客でしたので良かったのですが、その方曰く「もう、開けてしまえ!」とのことでしたがそんな訳にもいきません。それは彼が開けるべきもので、飲まれるべきもので、お支払いになられるべきものですので。
そんなこじ付けもありサロンになるのもおかしいかもしれませんが、前日から稼動された鰻割烹のオーナーさんの祝宴のシャンパーニュと言う形で。
サロンのコルクにはヴィンテージも刻印が打たれておりこれも確認の材料ですが、熟成して’71に見えるような気も。完全にしぼんだコルクではありますが贋作ならばコルクとて作られるでしょうし。
ただ、このあたりが答えなのですが極上でした。ヴィンテージ・シャンパーニュに求める芳しいシェリーのようで蜂蜜がしたたる芳香は鼻腔をくすぐり、柔らかく円い酸は甘いまとまりのある果実味とのバランスを添い遂げるような。シャルドネ単体がこんなワインに為るなんて、とサロンの特別はいつも思わせられますが個人的な経験ではこの’71が最も。
完全に丸っきりの贋作ではいけませんが、おそらく本物と言う前置きを置いてからその期待以上に美味しい素晴らしいものなのであればそれはそれでよろしいのでは?
まあ、お人は選ばなければなりませんが。

             Sommelier R.Imamura