Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

極上のブルゴーニュ’97’83’73

休日は節約気分で大人しく。子供たちと犬の散歩に出かけながら、何処となくですが花粉の症状が穏やかに成りつつあるような?目は痒い感じが強くはあったものの、鼻をかむ回数が激減したような週末で。とは言いつつも花粉情報は、今月末まではまだまだ多量の桧の爆弾が散布されているようなので 気は抜けませんが。
で先週末の土曜日は
・La Romanee’73 Chateau de Vosne Romanee
Musigny’83 Louis Latour
・Meursault Charmes’97 Leroy

久々の東京からの作家のムッシュ。とは言いながらも年に何回かは、ご利用が続いているので本当に有り難く大切な顧客のおひとりかと。
ですがですが、中々手強い方でもあるのです。やはりワインの世界には、その格のようなものをご理解されるIQに その経験を支える酒量をこなさせる肝臓の強さ。そして、そのワインをご自身のお財布から賄える経済力と この3つは必要なのかもしれません。まあ、勿論彼ほどまで入れ込んでいかれる必要は無いとも思いますが 急激にワインをお好きになられた お姿をここ数年で見てきましたから。
ですので、中々の手強い値交渉が毎度繰り返されるのですが 当然のように僕自身もご一緒させていただけることも前提ですが週末の素晴らしいブルゴーニュの3本に至る訳で。
京都にお越しの際には、同じように必ずご利用になられる和食屋さんでご経験された最小のクリマのラ・ロマネ。ロマネ・コンティの上部に位置する畑とセールスした方が良いのかな?近年のこの銘柄の高騰も当然でしょうが、評価の低いこの時代のこの1本も 呑み込んだ方にはご理解が叶う1本でもあって。明らかに素晴らしい熟成を経ているであろう、外観が透ける透明度の高い以前のボトルから期待は大きく。色々と呑み込んだ’73ですが、この0.8haの畑から今迄残されていた希少なボトルは未だに活き活きとした酸が支える極上の果実の塊で。
流れで2本目は、ドメーヌ・ルロワのボトルと悩まれておりましたが やはりグラン・クリュ繋がりで。おそらくはこの造り手がネゴシアンの彼女にも嘗ては色々と供給されていたでしょうが このミュジニは彼らのエチケットで。意外にも、酸が豊富なこのアペラシオンながらも トップノーズはお醤油のやや進んだ香りが。そして、かなりの甘みに支配されておりましたが 徐々にその命を吹き返すと言いますか。熟れたミュジニは、確かに久々でした 予想よりもかなり豊満な外交的なスタイルにルイ・ラトゥールのイメージもまた少し良い意味で変わったかな。
〆は厳しい交渉にての白ワインでしたが、負けてしまい・・・・。先の2本と比較すると若さは否めませんが、これもまたグラン・クリュに匹敵する極上のムルソー。’97も最後の1本でしたが、やっと飲み頃をはっきりと意識させる滑らかさに。ゴールデンデリシャスの蜜の甘みが印象的な流石のマダムの審美眼かな。
                 Sommelier R.Imamura