Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

スイス周り

相も変わらずながらも少なからずではありますが、大切な顧客のお相手で8月は凌いでおります。昨夜もやはりほとんどがご常連さんでしたが、時期的なものもあるのでしょうかご新規になられる方のご利用に可能性は見出したく。
・Cuvee Dom Perignon’80 Moet et Chandon
おそらくワインにご興味が有られない方でもロマネ・コンティやシャトー・マルゴーなどと同様に名前を耳にされた機会がもっともある銘柄ではないでしょうか。また、その中でも現行のヴィンテージに於いて価格的にもお安くはないのですが日本の経済では飲み込まれるチャンスがボルドーブルゴーニュの特別なものよりも安価でしょうから・・・。
そんな訳もありながらも有名税と言うかもっとも軽んじられてしまう特別なドン・ペリニヨン。ですが有名だから美味いとはいいませんが、その名声には何らかの理由が有る筈かと。特に祇園街などの花街で生計を立てておられるご婦人方には現行の若いヴィンテージのまるで酸の塊のようなドン・ペリニヨンを一気飲みされて誤解を大きくされる方がいかに多くおられるか。
まあ、大抵のかたは仕方がないでしょうがもしもしお連れのムッシュに色々な意味で余裕があられたらお勧めでしたい、熟成の極みとも言えるプレステージシャンパーニュの世界を。
今回のヴィンテージ’80は作柄的には、正直難しいところ。ですが比較的乱発する銘柄ながらも仕込まれたことにも敬意を払い、また何度かテイスティングをした経験も含めておそらく素晴らしいと思われ。事実、トップ・ノーズから朝方のパン屋の酵母の発酵集が鼻腔をくすぐり蜂蜜とグレープ・フルーツの白皮の部分の苦さとのバランスが優雅な何とも贅沢な最上のお酒のひとつ。偽りがなければ今宵のマダムには、このシャンパーニュの産みの親の繊細にして今なお生き続ける特別なお生まれ年のドン・ペリニヨンを見直されたようで。
まあ、価格を聞かれれば美味いに決まってると応えられる方が大半でしょうが・・・・・・。ですが今宵はご常連のムッシュには弱気に為りすぎてしまったかも、”このなものか”とのお会計時の一言でしたが。いつもながらありがとうございます。

              Sommelier R。Imamura