Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

満開にて

先週末の桜の満開の土曜日は、思い出しながらも本当に一時の大変さに考えさせられ。集中してお越しになられるゲストと鳴るお電話にやや食傷気味な瞬間も。意外にこんな晩は穏やかなワイン達の流れで。
・Chateau La Louvieres’98 Graves
・Chateau Beychevelle’81 St Julien
こんな晩は、ご常連さんの流れも当然無い訳では無いのですが基本グラス・ワインをつつかれる方々が多く。
まあ、週末でしたし特にブルゴーニュのこなれたヴィンテージのものをランダムにお開けしたりしてロスは最小限に留められたり。ボトルに於いては現実的なものが見えており。グラーブの白は赤以上に稀少で興味深いものもあり。このラ・ルヴィエールもまたエチケットのデザインが美しく、シャトー正面の湖面に写る対象美の世界観が目にも美味しく。10年の熟成を得て全体的に円みを帯びた酸の穏やかさは、少し暑さを感じられるこの季節からは活躍の場面を増やすことでしょう。頂いた数本の中でいきなりブショネが登場し慎重なテイスティングが求められるこの銘柄でしたが、その後は満足行くパフォーマンスを。
もう、疲れ果てた後半にマダムのお好きなボルドーを。これくらい上質に熟成の段階を歩み繊細さも得ているものになれば、今宵疲れた体にも優しく応えてくれる由緒正しきシャトーで。いつもながら、このワインをいただく時は数年前のこちらへの訪問を思い出します。ジロンドか河へと突き出すように開けたこのシャトーの敷地は、正しく貴族社会のサイズの違いを見せ付けられるような。帆を下げ敬意を払いながらこのシャトー前を船が行き来していたのも、頷けます。今宵私には、それ以上にこちらのマダムのアルコールへの強さに敬意を払わずにはいられませんでしたが・・・・・・。

              Sommeleir R.Imamura