Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

寒々と・・・

先週を振り返って、土曜日は寒々しいほどの寂しさに。お天気も芳しくなく忙しくなった次の日に続かないまだまだな印象も。
今宵はいつもの芸妓さんに甘えさせていただきました。
・Condrieu La Doriane’94 E.Guigal
・Pauillac de Latour’90 Pauillac
暇そうな私を見兼ねてか?「今日はボトルにしましょうか」との一言は流石に粋な世界に身を置かれる彼女らしく。縄手通りを歩かれている時にも閑散とした今宵に週末らしからぬ姿があったのでは?
白を基本的には、嗜まれる彼女ですが今宵はシャルドネから離れたローヌの特別なヴィオニエを。エチケットに描かれる葡萄の樹のモチーフは一見、赤い色彩も上手にあしらわれておりまるで花束がモチーフになっているのかと毎度ふと思わされるのは私だけでしょうか?
上質な白はシャルドネ同様、アタックに甘みが現れることが多いですが中盤から後半にかけてのコクと酸の拡がりが非常にエレガントなもので。熟成の段階にはいってきたコンドリューはラフランスやパイナップル、アンズ茸、バター、カラメルなどのリッチなニュアンスを纏いながら遅れて到着された普段はあまり私共では飲まれる体力を消耗し切ったムッシュにも二杯目のグラスを誘う上質な1本かと。
エチケットにはポイヤックとだけ表記されるものの、あのシャトー・ラトゥールの実物の塔が描かれるこの1本は彼らのサード・クラス。そのうえ’90であれば並みのシャトーのものを足元にひれ伏させるような酒質が期待されます。個人的な好みではレフォールド・ラトゥールですら’90でしたらまだまだ時期尚早かと。現時点ではしなやかさも帯び、ボルドーのフィネスを表現し始めた彼で十分では。ブラックカラント、シガー、アミガサタケ、バラの萎れたブケなどこれまた先ほどの白にはあまり感じ得ない多彩さをはっきりと。幾分、今宵のマダムには失礼があり取り繕うのに必死の感がありましたがこの素敵なボルドーにてお許しいただければ・・・。
そうだ、もう1本面白いものをテイスティングしました。カベルネ・ダンジュ’47。ロゼのデザート・ワインです。グラスで十分楽しめるややチャーミングなポートと言ったところ。まだまだ、元気もございますのでグラスで如何でしょう。数杯は残されておりますが、ご興味あられれば。
Sommelier R.Imamura