Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

お茶とワイン

止まってしまった昨夜の営業は、前半だけで後はどんよりとした空気が。もうそろそろ閉めさせていただこうかな?と思っていると珍しくお一人で。
東京からのxxxは、ここのところ女性を伴われることが多かったものの今宵は。まあ、飲み足りない私には今宵最終の1杯をお供させていただくには最適なお方でした。どちらかと言うと、しっかりめのボルドーを好まれその中でもバランスの取れたサンジュリアンのシャトーがいつものお気に入りの方で。
・Chateau Lagrange’99
・Chateau Talbot’93
グラス・ワインでしたが、ラグランジュの’99がございました。最後の1杯でしたので、やはり有るべきところに注がれていった感じが。不意に3本だけいただけ、この’99はお買い得価格で分けていただけました。’99と言えば中程度な出来で随分近づきやすい価格と味わいに次々抜栓をしておりましたが、今となっては市場からも随分減っております。やや角の取れた状態に円みを感じさせながらも後半に引き締められるタンニンの質感は本来のボルドーの有るべき姿に。
気を良くしてしまい、これも稀少なタルボの’93までも。贅沢な熟成香を放つ’93は今正に一時の飲み頃を迎えております。何ともリッチなアロマと膨らみにサンジュリアン・ラヴァーは恍惚の。
さて、こんなワインを飲みながらもお話には互いの業界の現状に於ける若干の愚痴じみたものも。ある意味ではワインの歴史にも劣らない日本のお茶の世界。京都は表側では中心でもある都市ですので、お稽古やお茶会など東京からの出張もまたしばしば。ただ、呉服関係しかりお茶事の世界でも現在の時代ではお弟子さんの問題は色々のようで。伝統的な文化に於ける意味合いは中々難しく200年続かれるお家の伝承にも悩みはあられるようで。
確かに何の歴史も無い私とて、息子にソムリエの仕事をお勧め出来るものかは非常にナイーブなものです。
ただ、お遊び程度のお茶のお稽古をつけていただいた経験がある私でも”おもてなし”の心を育てる日本古来の美しきものには敬意を表したい。

               Sommelier R.Imamura