相変わらずの週明けの寂しさは、ボルドー・ワインの夜半開けに救われました。
・Chateau Joanin Becot’03 Castillon
・Chateau Lagrange’94 St Julien
・Chateau Beychevelle’81 St Julien
・Chateau Gruaud Larose’79 St Julien
全てがボルドーに終わったような今宵は珍しく。
カスティヨンの外れでも、’03ヴィンテージは非常に素晴らしく。ジュリエッタさんの健康美が、思い返されますがヴィンテージ変更で’04が届けられた時は残念ながら前年の出来とのギャップに押されていました。偶然1ケースが残されていたようで、躊躇なく使用しておりますがおそらく気が付けば無くなっていくものでしょう。正しくチョコレート、モカのニュアンスが甘く溶け込んだメルロー。
いつも一杯だけと言われながらもボトルのボルドーを。リーズナブルなものをとおっしゃられながらもグラン・ヴァンの熟成まで。結局2本のボトルを部下の方と楽しまれましたが、流石に焼肉屋さんは飲みっぷりも男前です。
しなやかさを帯びてきた’04のラグランジュでしたが、いつも最終的には熟成へと進んで行かれる為、前座のような扱いになってしまいました。ただ、’05’06のような豊満さはないもののバランスととれたプロポーションにサンジュリアンの本質は垣間見えるサントリーさんで。
ラグランジュとベイシュベルとは、いやらしすぎるかもしれませんがそんなストーリーを作りながら一人で楽しむのも、またソムリエの楽しみです。同じアペラシオンであり、兄弟のような関係へと進みつつあるこの2つのシャトーはこれからも日本人のボルドーであり続ければ幸いです。明らかに熟成の階段を数段上ったこの’81にトリュフが感じ取れ、足取りも軽くお席を立たれる様は安心感をも覚えます。
ここ2回は珍しく遅めの時間に。嘗ての従業員の寺林と同じホテルで働かれた経験をお持ちのママさんは、いじめっ子だったようです。目に浮かぶ光景ですが・・・・・・。女性に合わされいつものブルゴーニュがボルドーに変わる辺りは流石でした。王のワインは3本のサンジュリアンの中でもその芳醇さを誇示し、干し葡萄の甘みに負けない洗練さも兼ね備えた今宵最後に相応しいグラン・ヴァン。 Sommelier R.I