Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ワインの日

何となくこのところ、ワインの日の20%のオフ・プライスにも皆様のご興味は集中しない感じではございますが。流石に祝前日と言うこともあり中盤以降の賑わいはございました。
今宵はご常連さんのご利用も幾つかあり、心穏やかに進む時間が大半で。また、同世代のムッシュの転職1周年祝いと称された宴がお一人で。その横に運良く今夜も陣取られたソムリエの奥様にも随分とご相伴が。
・Puligny Montrachet Clavoillon’98 Leflaive
・Hospices de Beaune Beaune’85 Cuvee Rousseau Deslande(Maison Louis Latour)
クラヴァイヨン、ルフレーヴ女史のプルミエの中でも最も興味を引かれてしまう1本。テイスティングの時点では、やはり硬さが酸と共に支配的でトランスバージュでどこまで?と言うのが本音でした。ところが少し気持ちの部分で出来ることを、というのがご常連さんへの配慮に繋がるのでしょうか?通常ではこのクラスでは、登場しないソムリエ・シリーズのモンラッシェ・グラスを。ホスト・テイスティングがあまりに好意的でしたので、後ほどお分けいただけたものを私もこの総手吹きのグラスでいただくと。想像は出来てはおりましたが、想像以上に。お隣のマダムにも思わず、「これは違う!」とお渡ししてしまう程酸が穏やかに甘みを主張させる味わいに大きく変化しておりました。当然ながらマダムにも大きな反応があり、改めてグラスの重要性に。やはり、若いヴィンテージには出来る限りグラスの相乗効果を期待したいものです。
折角なので今夜はブルゴーニュで合わせて。ご予算的には「ブルゴーニュではそこそこの物までしか」との言葉がありましたので、そんなことは無いことを。(20%オフの効果もありましたが)慈善院のワインはボーヌでしたのでまだ何とか、それでも貴重な’85はこれまたグラスの違いに香りの拡がりが顕著な違いを。干しイチジクのアロマをたっぷりと大ぶりのグラスに讃えながら、強さの中に穏やかな高貴さを纏いながら。
どんな理由であれ、前向きな内容のお祝いに関しては本当にソムリエ冥利に尽きます。お客様は気まぐれなものとは言え、今宵のご常連の皆様には今後も末永いお付き合いがいただけますよう心より。

        Sommelier R.Imamura