Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

米・ペトリュース

意外にも連日の慌しい前半からの満席に、やはりやはりご常連さんの動きがメリハリを。偶然のお知り合いのカウンター3組は、気まずさなど何処吹く風の男らしさも。
・Dominus’85 Christian Moueix
お帰りなさい、と言う感じの祇園街のお姉さんのご常連さんが。昨年に祇園街をリタイヤされた旨をお伺いできており、そんな形の人生もよろしいのでは?とお話しながらも残念な気持ちに複雑な・・・・。
そんな彼女も何と言うか、やはりこの街からは中々。戻られた状況から馴染みのお客様も合わせて今宵。「熟成したワインが飲みたい!」この一言は、私共にとっても嬉しい流れで。高騰するワイン市場に敏感な祇園街のお姉さん方のワイン・ラヴァーにも本当の意味での美味しいワインの世界感は一部には大きな意味合いも在るのでは。
カリフォルニア特集の流れでこの銘柄になりました。流石にオーパスまでは、お持ちし難くそれでもこのカリフォルニアのペトリュースは指定が無ければリストに残しておきたい華がある銘柄。また、現行のDominausとエチケットに大きく書かれるデザインと異なるムッシュ・ムエックスの肖像がが描かれたこの’80年代のボトルも稀少で。
十分の浸透したコルクからも期待は大きく、熟れたブラック・ベリーのアロマにプルーンのようなブーケが広がるとボルドーとはまた違うスタイルながらも上質な味わいが証明され。
出来ればマダムのヴィンテージ’83に固執したかったのですが、自宅地下のダン・ヴィンヤード’83をお店に運んでいなかったことだけが今宵悔やまれました。
それにしてもムエックスのワインはボルドー右岸は当然ながら、カリフォルニアでも安定した酒質で期待を裏切らず流石の一言では。どうしても果実のパワーに偏りがちなニュー・ワールドの中でも落ち着いたバランスの良さには特別な感覚が見受けられます。何処かしら知的な彼の姿にダブらせるワイン・ラヴァーもきっと多いのでは。

              Sommelier R.Imamura