Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

倹約家の・・・・・・・・・

雨降る寒さの厳しき週半ばは、少しブレーキが掛かる今宵でした。それでもここのところ懇意にしていただけるドクターが。
残念なものでご接待される製薬会社のムッシュの東京への転勤が決まられたようで、お別れ会を兼ねたようなご利用に。
こちらのお二人は、カウンターの中から見て取れる範囲ではどこかしら一方通行ではなく素敵な関係が築かれておられる感じが。ご職業柄色々おられますので・・・・・・・・・・。どちらにしても、東京ですので栄転であることは間違えないでしょう。そんな今宵のワインは、兼ねてよりのヴィンテージで
・Chateau Lynch Bages’75 Pauillac
セールス・トークとしては、微妙ですが賢いと言う意味での”倹約家のラトゥール”と言うフレーズが嘗てより。ただ、ここのところそんな言い回しも失礼なくらい素晴らしいクオリティを誇る格付け5級でが2級に匹敵するようなシャトーです。ヨーロッパ最大の保険会社アクサが所有するこちらは近隣にボルドーでも唯一の星付きレストランまで経営する多角的企業。こちらのシェフ「ティエリー・マルクス」の評価もワイン同様高く捉えられております。先ごろでは二年に一度開かれるヨーロッパ最大のアンティークの祭典”ビエンナール・デ・ザンティケール”でも日替わりのシェフに選ばれていることも頷けることで。
さて、ワインはここのところ抜栓にもストレスを感じるようになってきた’70年代の半ばのものでしたが何とかキーホルダーにして差し上げられ。甘苦く、ほろ苦い味わいにボルドーの熟成に求める真髄が。徐々にモカのブケが綺麗に拡がってきて、大人の時間がゆっくりと流れ別れを惜しまれるかのごとくハード・ボイルドと言うのでしょうか?シガーを燻らす男性2人に選んでいただけたお店としては光栄でした。
今月の特集”ロバート・パーカーの選ぶ世界の極上ワイン”の内の1本。流石に日の打ち所の無い極上の世界でした。

             Sommelier R.Imamura