Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

赤キャップ

お客様には失礼ながらも、待ちに待った売り掛けのご入金には本当に本当に。思わず”生きておられましたか!”とこれまた失礼な発言に為ってしまいましたがこれもまたお許しください。
・Clos de Vougeot’92 Leroy
こんな掛け合いの中にも今宵も素晴らしいワインを。ただ、以前他でヴォーヌ・ロマネ・ラグランリュー’72をお飲みになられたことを忘れておられたことには、やや残念なことではありましたが。
さて、このマダム・ビーズ・ルロワ嘗てはロマネ・コンティの共同経営者であり世界有数のブルゴーニュのワインのコレクターでもあり。
そして彼女により生み出されるワインは、どれも綺羅星のような輝きを。特に彼女自身の所有のドーヴネ、そしてドメーヌ・ラインの赤いキャップ・シールが施されたボトルには私個人も少し余裕があれば買い足していきたい素晴らしいものが。
そんな気持ちを込めて、またリストの中にも忍びこませたい1本としてこのクロ・ド・ヴージョ’92は。何れにしても彼女の赤キャップはグランクリュともなれば凄まじい価格の正規代理店のものばかりで。おそらくソムリエとて最もテイスティングをさせていただく機会が最も困難なドメーヌかと。
そして、おそらく個人的にも鮮烈な印象を残す試飲にも。以前ならば澱の部分なれどロマネ・サン・ヴィヴァン’89などはもう濃密ながらも軽やかなニュアンスさえ漂わせ優しく洗練された後味に滋味溢れる。
今回の’92は意図したストーリーとしてもちろんやや難しいヴィンテージなのは価格に反映出来るもので、そして彼女がDRCと決別をした年の曰く付きの生産年。やはり正直桁も変わるプライスのボトルにはあの手この手のストーリーも含めた攻め手も欲しいもので。
ふわりとしたのみ口ながらもグランクリュの持つ芳醇な香りの中奥ゆかしい味わいとエレガンスが際立つ1本。
こんなフェミニンなワインを私と二人で空けてしまうムッシュもまた・・・・・。

            Sommellier R.Imamura