Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

事故みたいなもので

寒さも冬らしくなり、自宅のミモザの樹にも蕾がいっぱいに。きっと2月には愛らしい黄色い花を沢山付けてくれるでしょう。
さて、先週末の土曜日は。相変わらず不安が拭いきれない状況ながらも二組の予てよりのご常連さんのご来店によりほんの少し気持ちを落ち着けてお疲れさんのシガーを燻らせる晩に。
・Chateau Mouton Rothschild’78 Pauillac
・Harlan Estate’98 Napa Valley
もう、4年にも為ろうとされていたのですね。こちらのご夫婦のご結婚は’05にて。ご結婚前よりのお付き合いになりますが、そんな意味も込めてお好きなサンジュリアンのシャトー・ラグランジュ’05を6本ほどお渡しすることに。高騰の煽りを受けるボルドーの’05ですが3級のこのサントリー所有のシャトーですら品質の向上もあり中々の価格に。ネット市場の価格よりは¥1000−はお安くお渡しできたのでは?それ以上かも。
さて、そんな彼らの今宵はエチケットに大きなダメージを受けてはいるもののお買い得なムートン’78を。いつもながらリストをしっかりと吟味いただけるのは嬉しいかぎりにて。その上で候補の幾つかから、それならこちらでお勧めを。何より”回数を減らしてでも、その分お金を貯めてこちらに伺う”そんなお言葉に本当にありがたく。
ラベルからは想像も付かないくらい綺麗に進んだ熟成はコルクの健全さからも見て取れ、ほろ苦いビターな中にも芳醇な30年の時の流れを。
このクラスはもう正直私くらいのソムリエでしたら事故のようなもので。確かにハーランも今年だけでも何本か扱わせていただき、それも数人の顧客の方に限られますがこの1本で小さな店舗では大きな仕事量に値するでしょう。
まあ、確かに信頼していただける証と言ってしまえばそれまでですが。この’98はいつものドクターへと考えておりましたが、こちらもカルト・カリフォルニア・ラヴァーでほとんど軒並み。その上北海道からのご常連さんでいつも芸妓さんを引き連れて。まだまだパワフルな’98ですが正に”上手に仕上げてるなあ”の一言に尽きる本当の意味でのカリフォルニア・カベルネの最高峰。もちろん彼はスクリーミング・イーグルもお飲みになられましたが・・・・・・・。
あ、先生には’00は1本お残ししております。ご心配なく。
Sommelier R.Imamura