Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

人間模様

この日までは覚悟の閑散とした営業でした。4日ゆっくりさせていただくと逆に疲れが溜まってしまうような無責任な表現ですが。
さて、昨夜はワインの内容よりも人間模様が幾分中途半端な早めの時間帯に。初めてのご来店のゲストで若い女性がお一人でお越しになられると若干なりとも躊躇してしまうものです。ホステスさんか同業者の方でしたら、何となく理解には及びますが。
個人的にはこんな時には、あまり深く考えずお相手をさしあげた方が何かと楽な気がいたします。予想通り同業者の方でしたが、今宵は少し早めの帰宅が許されたそうで。ワインの勉強をされておられるようですが、どうも教科書をひらかれるより実際に飲まれるほうが得意なそうで。確かにまだ経験は浅そうな彼女とは意外にワインのお話より単純な世間話のほうが取っ掛かりは良さそうでした。そうこうしている間に、祇園街でも歯科医Kで知られるムッシュが賑やかにホステスさんを数名引き連れて。この手の方は大抵がボルドーなのですが、こちらは意外にもブルゴーニュを。こちらにはとにかく酸味が抑えられた現実的なブルゴーニュをお出ししないと、ありがたいことに私の飲ワインの量が歴然と増えてしまうのです。ただ、飲まれている造り手はルロワやニコラ・ポテル、ルイ・ラトゥールなどジェネリックなラインが大半でしょうがこの中に新たにカレラ・ジェンセンが加わり”カリフォルニアでもいいんじゃん”と地団駄を踏む気持ちもございましたが。
まあ、それでも以前もお一人で3本も空けられるくらいのとてもパワフルな60代に敬意をはらいます。
そんな賑やかなシュチュエーションを横目で、先のマダムはご覧になられながらも普段のお仕事で幾分免疫はあられたようでもくもくと飲まれておりましたが。それでも結果的にはお一人で23:00ごろまで、後半はワインのことなんかよりも彼女の恋愛相談が話の中心に為っていたのは在りがちなことなのですが。様々な人間模様が毎晩のように渦巻く祇園街で。

         Sommelier R.imamura