Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

グラン・ヴァン

昨夜とは状況が大きく異なる今宵でした。どうしてもゲストの集中は仕方なく、ドクターの比率が高い今宵。
お好きな方が多いのは、既に明らかで私としては良いとこどりの贅沢なテイスティングになりました
・Chamboolle Musigny’59 Joseph Drouhin
・Barbaresco’85 GAJA
・Pol Roger Cuvee Sir Winston Churchill
初めてのご利用でしたが、このようなワインを選ばれる方はご来店時よりそんなオーラを振りまいておられ。身に付けられるものも一流品と言われる”ボルサリーノ社”のシルク・ハットを被られて。じっくりと眺められるワイン・リストへの視線はソムリエが感じるところのドキドキするシュチエーションで。ヴィンテージ’59は素晴らしい出来のブルゴーニュ、コルクを折ってしまったことについては穏やかに最近の若い方は、あまり上手ではないものね、と軽く言われてしまいましたが・・・・・・・。
それでもショルダーまで落ちた状態など微塵もネガティブには感じさせない活き活きとしたピュアな味わいにひねるニュアンスもまったく。次回のご利用をルロアのラ・ロマネ’62の取り置きの依頼をされ。お帰りに為られた後、お隣のお席のドクターが「あちらの方は同じ生業で、実は世界的な権威のかたでね」とのことで。狭いもので私共のご常連様との交友も随分とあられるようでした。
急な出演依頼が入られ今月の南座の公演になられている歌舞伎役者さんは、贔屓筋につれられ、久しぶりのご来店。ボルドーブルゴーニュに分かれた希望はすっぱりと私が真っ二つにガヤに決めていただかせ。前半の硬さは途中からの変化を一段と興味深いものに感じさせます。”まだ早かったんだ”と言う期待はずれの表情が一変する瞬間に、ゲストの私への視線もやや穏やかになるものです。こちらも偉大なピエモンテの極上の生産年、やはりスミレ香に引き締まるタンニンが。イケム同様彼のコレクションも品薄になってきました。それでも普通のイタリア料理店には負けない品揃えですが。
彼もまたお一人でボトルを開けられる味を占められ。必然的に私の酒量が増える訳です。こんな方は一応私の今宵の気分も聞いていただけるので不思議なものですが。 つづく