Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

みぞれ混じりの夜に

5日の月曜日は、寒さも厳しく、みぞれ混じりの雨にお客様の足も遠のいた感が。
ビストロには、南座の顔見せ帰りのご婦人が団体で。ワインバーは天候と暇な寒さのダブルパンチを受けておりました。グラス1杯で深夜2:00をまわるカップルを後目に、今日は、もう帰ってやると心に誓った瞬間。鳴りました電話が、馴染みの宮川町のお姉さんからでした。多少遅かろうと、もう一仕事しなければ!予想通り、お連れはコート・ロティのムッシュでした。今宵も有ります文句の付けようのない特上の1本が、探しに探して無理から手に入れた
・Cote Rotie La Mouline’79 Guigal
一度、手持ちが無くリストすら見ていただけず扉を閉められたムッシュも、ここのところ聞いて頂ける関係も作れ非常に楽しませて頂けるお二人かと。ましてや、この日のように給料泥棒のような状況では出来るかぎりのトライを、失礼のないように。ワインはキャップ・シールはボロボロなものの、コルクはとても良い状態の浸透具合でファースト・アタックのアロマは、信じられない程若々しく筋骨隆々といったイメージが。ですが時間とともに彼のキャラクターが現れ、スパイシーな丁字
やピンク・ペッパー、獣臭にブルーベリーのブーケが絡み合う個性的な液体へと。
最初の硬さを残す気むずかしさから、気がつくと甘く滑らかなバランスのとれた肉体美へと成長しておりました。
悪気はないのですが、こんな夜のお見送りは心なしか、いつもよりお辞儀する角度が大きくなってしまう私でした。

Sommelier R.Imamura