ブルゴーニュ人気は、今だ途絶える事無く、若いヴィンテージの「ヴィラージュクラス」を中心に、たまに「熟成グランヴァン」が混じる・・・「輸入代行」で入手したブルゴーニュの中で、一番古いヴィンテージの“クロ・ヴージョ '７９．ロベール・アルヌー”・・・コルクは、２３年の歳月で弱くなり、途中で折れてしまったが、「アルヌー」らしい淡い色調のそのワインは、見る見る「濃さ」を取り戻し、湧き立つ芳香と“これぞ、ピノ・ノワールの熟成”と震撼させる「リキュールっぽさ」を残して、失せることのないほどの「フィネス」の世界へと誘ってくれた・・・「ブルゴーニュ'７９」は、「'７８」のグレートヴィンテージに隠れて、あまり評価されないヴィンテージだが“ロマネ・コンティ'７９”を筆頭に、数多くのこのヴィンテージに感動した経験がある私にとっては、勿論、造り手次第ではあるが「秀逸」なヴィンテージだ・・・ただ寂しいのは、この“ロベール・アルヌー”の「クロ・ヴージョ '７９」は、恐らく、私の人生で出会うことの出来る最後の一本で、この先このワインと再会することはまず無いだろう・・・「ブルゴーニュ」の華やかさは、その裏に秘めた「はかなさ」が、より以上の感動を呼び起こすのだろうか・・・。
