Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ムートン '73

毎年、変わる「アートラベル」で有名な至高のワイン、「シャトー・ムートン ロートシルト」・・・1855年の「格付け」では、いろんな「おもわく」が行き来してか、「二級」に甘んじたが、118年後の「1973年」に見事、「一級」に昇格した・・・それ以降、現在まで「格付け」の変更は、一切なされておらず、まったくの快挙としか言いようがない・・・この年のラベルの作者は、かの“ピカソ”で、彼の生涯を閉じた年がこの「'73」・・・“ピカソ”好きの、とある方の「コレクション」のひとつにお取り置きしていたこのワインを、先週の土曜日にお召し上がり頂いた・・・そのラベルには、「われ一級なり、かつて二級なりき、されどムートンは変わらず」と書かれ、その方の「人生論」そのものが、そこに映し出されているようで、痛く感激して頂いたようだ・・・「オフ・ヴィンテージ」と言われるこの年だが、さすがに「ムートン」・・・色調に疲れも見せず、少し乾いた「トリュフ」や「木の皮」、「シガー」、「枯葉」、「タイム」、「フヌイユ」、「レグリース」etcの熟成香が心地よい、「今がピッタシ !!」という見事なバランスの「飲み頃」で、お客様も“これは、すごいでぇ・・・”の連発で、“もう一本、あれば探しといて・・・”と、ひどくお気に入りの様子だった・・・。