Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

寂しき解禁

昨夜は新酒の解禁の日でした。深夜0:00からとはいい、とても寂しき解禁になってしまいました。特に営業努力の不足もございますが、5年前から比べると年々ボージョレ・ヌーヴォーの人気にも残念なお声が多く。やはり、私どもの営業スタイルに於いても昨夜でも隔たりは大きかったのでは。その分ワインに対する洗練された感覚は皆様にも強く浸透されており。ですが、この時期ぐらいは・・・。
・Dom Ruinart’93
・Beringer Cabernet Sauvignon’95
・Gracia’99 St Emilion
・Chateauneuf du Pape’83 Clavelier
一時間にも満たない所要時間でしたが、ムッシュは相変わらず粋な飲みっぷりを。こんな時やはりたった二脚でもいつもとは違うグラスを持っているのは目線が変わるもので。バカラのとてもセクシーなシャンパーニュ・グラスの底から立ち上がる泡の美しさに思わず見とれてしまう瞬間が。まだまだ若さが残る’93ですがブラン・ド・ブランのシャープな酸が少しづつ落ち着きを表現しており、ふくよかな甘みを讃え始め。
男性お二人でしっかりめの2本を飲み込んでいただけたのは、今宵のような晩には非常にありがたく。ただ、やはりこのクラスのワインを楽しんでおられる方には残念ながら後ほどのヌーヴォーにはネガティブな印象は否めないかと・・・。ジャムのような濃密な果実の甘みをいっぱいに表現するカリフォルニアのスタイルは、この上質な造り手にももちろん。
2本目もやはり濃厚なカカオのニュアンスを感じさせる、サンテミリオンの特別な新しい造り手は熟成感よりも力が未だに。確かに女性の影の無い今宵はこんなワインもまた相応しいのでしょう。それにしても濃い。
深夜のマダムは、今宵はヌーヴォーに苦言を呈しながらのローヌを。ブルゴーニュに本拠を置くこのクラヴェリエは、ローヌにも触手を。やはり今宵最も熟成の姿を見せてくれる淡い色合いながらも素晴らしく個性的なローヌのムスクを漂わせ。甘い芳醇な果実味は後半に粗目のようなたっぷりとした風味に繋がる今宵一番の・・・・。
ヌーヴォーは明日からのスタートでしょう。5Lも在るのですから。

               Sommelier R.Imamura