Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

伸びきらずも疲れが

週末らしく前半よりじわりじわりとゲストが、お席を埋めていく感じでシェフは必死だったでしょう。それにしても、満席の状況で19:30来店で20:30までにコースを対応するような要望は承りしかねます。
そんな今宵は、美しき友情のヴィンテージ’70とローヌの何とも言えない形状をしたボトルの美酒を
・Hospices de Beaune Meursault’70
・Chateauneuf du Pape’89 Chateau de la Gardine
先日ご接待を受けられていたドクターが、今宵ご利用の友人のドクターご夫婦の結婚記念日にプレゼントされた、奥様のヴィンテージ’70。それもサプライズのご準備でしたので、随分喜ばれていたようで。
問題は酒質が、やはりジェネリックムルソーだけにやや甘みは残しつつもシェリー様にかなり酸化臭を含んだ状態に。それでも十分なノスタルジーは中々の飲み応えがございました。マダムの紹興酒は好きよ!とのコメントが妙に大人の感じがされ流石に素敵にお年を重ねておられると熟した色気を同様に・・・・・・・・・・。
その後にハーフのボルドーをお楽しみいただけたのも良い結果だったのでは。
もうひとつのローヌは、あのロバート・パーカーが何とも切ないコメントを書いておりました。確か”中身は非常に素晴らしい、だが詰められたボトルの形状が非常に不気味で気持ち悪い。だが素晴らしい酒質だ”それなら買いでしょう!個人的にはその様に思いましたが、確かにパッと見は普通なのですが下膨れでボッタリとしており、そのうえ後ろ部分がやや出っ張りが。手に持つ感覚が妙に不思議な心地ですが、コメント通りなめし革とクローヴのアロマが顕著でアニスが背景に存在する感じがあり、まとわりつく様が見て取れます。なんとも奇妙であり素晴らしいワインは、ローヌの存在感を十分に感じさせニ次回帰りのカップルには十分な味わいのようでした。
思ったよりも伸び切れなかった今宵は、腰をおろした途端に睡魔に襲われるハードな一晩でした。

              Sommelier R.Imamura