Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

変化するワインの味わい

週明けの今宵、先週のグラス・ワインの残りが気がかりで。おそらく、700種以上のアイテムが揃えられた私のワイン・リストで最も恐れることは、ゲストの皆様のされる悪いほうの噂では。いくらヴィンテージ・ワインがたくさん揃っていても、例えば「グラス・ワインが状態が悪く酸化していた」こんな噂が嫌なもので。グラスのアイテムも25種ほどを常時扱うとこれからの時期はリスクも伴いますが・・・・・・・・・。
さて、今宵のオープン前にはテイスティングから。若いヴィンテージのボルドーなどは液量が多ければ全然問題は無く。気になったのは
・Volnay’78 Jean Bitouzet
およそ30年前のブルゴーニュは半分ぐらいのワインをボトルに残しておりましたが、当然真剣にテイスティングをしなければ。意外にも抜栓直後の酸味の荒さが落ち着き、甘みを主張する上質なポートに。これは逆に今宵の使いきりで何とかお勧めしたい贅沢なグラス・ワインでした。ちなみにリストから選ばれた方は、ご理解を当然。ブラインドで試された方は、これはどうかな?と思われながらも、ヴィンテージ’78をご覧になられ納得を。
あと、本日はテイスティングされたものをシェフも試して。この’78は彼も同意見を。最終今宵リストからはずされたのはコルトンの’93でした。当然料理酒に変わるのですが、なんとも惜しい贅沢なクッキング・ワインでは。
それから、今宵のボトルのグラン・ヴァンは
・Chateau de Marbuzet’82 Saint Estephe
ボルドー・グラン・ヴァンの最北のサンテステフは、ハードでありながらも華やかでたっぷりとした味わいのワインを産み出すエリア。ましてやヴィンテージ’82と聞いては、胸の高鳴りは大きく。ブルジョワではありながらも生産年によっては特級を脅かす存在のマルビュゼは酸の新鮮さを残しながらも甘みが熟れており、熟女のニュアンスを感じさせながらまだまだ魅力的なレディで。熟成ワインの魅力は、ブルゴーニュボルドーもまた甲乙付けがたく。
さて、明日は今宵の蒸し暑さは如何になりますか・・・・・・・・・。

             Sommelier R.Imamura