Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

寺林に飲み込まれたワイン達

覚悟はしておりましたが、ソムリエ寺林に飲み込まれたワイン・リストは文句なしのラインに。
・Jacques Selosse Substance
・Meursault’88 G.Coche Boulicault
・Gevrey Chambertin Clos Saint Jacques’73 Henri Esmonin
・Chateau Leoville Poyferre’73 St−Julien
・Barbaresco’70 GAJA
・Chateau Coutet’62 Barsac
稀少なレコルタンのジャック・セロス。ソレラ・システムで仕上げられる特異なスタイルのシュブスタンスは、酸が強くデキャンタージュをして上げたくなるほどミネラリーで。このスタートのシャンパーニュの味わいが次々と開けられる勢いをつけました。
コシュ・デュリのお父さんの名が書かれたエチケットのムルソーは、高価なことこの上なく。ましてや、ヴィンテージ’81のペリエールがリストではこちらよりお安く・・・・・・・・。思い切って開けてみたレアな1本は、コルクからバタースコッチの引き込まれる程の香りを。開けたては寝ぼけたようなはっきりしない味わいでしたが、これもまた次の抜栓を急がせるワインに。なぜなら、赤ワインより後に飲み込んでも負けない奥行きは時間とともに極上の、まるでクリーム・ブリュレのような厚みのある甘い甘い液体に。
’73のブルゴーニュボルドーは、準備しない訳にはいかなく。これも先代の名が書かれたアンリ・エスモナン。クロ・サン・ジャックとは珍しく。当然のように淡い美しいルビー・レッドは、眼に美味しく。アロマもベルガモットの複雑なニュアンスにムルソーよりも先に飲み込まれ。
ボルドーの’73は、2級のポワフェレ。ブルゴーニュよりも難しさが出てしまうこのエリアは、短期決戦。トリュフのブケは官能的ではあるものの、バランスはいささか。そう感じさせてしまう程の、先の白ワインのポテンシャルを引き立たせてしまうグラン・ヴァン。私と彼のヴィンテージのポテンシャルは、これがひとつの答えでした。
これもまた、偉大な赤ワイン。全てをリセットさせるスミレのアロマに心奪われ。果実の華やかさを保ちつつも、タンニンの骨格をもしっかりと。やはり好みのスタイルに。
最後は、疲れを吹き飛ばす甘美なデザート。40年のノスタルジー