Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

白の最高峰

22日の金曜日は、週末らしさはあったものの、全体的にメリハリのない一日だったかと・・・。
ただこの日は、ひざまづいて飲むべき白ワインの最高峰が・・・。
・Montrachet‘89 Marquis de Laguiche Joseph Drouhin
約一年間待ちに待ったこの一本は、やはりこの方か、と言った印象のムッシュに選ばれたのですが、ロマネコンティ社のモンラッシェがないのは問題だと・・・。この日私共が在庫としてストックしていれば、お飲みになられる勢いもございましたが・・・。とはいえ何より頂点の白ワインであることは間違いなく、昨年先代の残していかれた同じワインの‘97ヴィンテージが欠品になった時点で、こんなワインを扱うことができればと、トライの気持ちも込めて購入した、思いの籠もる一本ではありました。
私共ぶどうの蔵はありがたいもので、一歩づつではありますが、かわいがっていただける顧客の皆様に支えられながら、扱わせていただくワインのクオリティや格、ヴィンテージについて上を見続けてこれています。また冷静に少ない量ながらも、3人のソムリエは、テイスティングさえていただくことにより、また一歩大切なお客様方に、適切なお手伝いを可能にする貴重な経験をさせていただけております。今後もまたおごることなく、皆様に愛されるお店造りに取り組むつもりでございます。
透き通る美しいレモンイエローの外観からは、モダンなニューワールドのシャルドネのような、厚化粧の黄金色は見られない、とてもエレガントな色合い。トップノーズからモカの香りが緩やかに立ち上がり、レモンやカリン、マンゴー、パパイヤ、セルフィーユ、レモングラス、リンゴの蜜などが感じられ、キンモクセイ、ユリ、バター、ナッツ、ヴァニラ、クミン、ナツメグやマッシュルームなどがブーケとなり拡がってゆく。複雑にして多彩なキャラクターに、味わいも負けじと前半のミネラルの活き活きとした酸は、まだまだ若さをも主張するものの、徐々に厚みを増す甘味は、バランスよりも変化することの楽しみを教えてくれる部分も。そして何より余韻の長さが格別であり、口のなかでバラバラではなく、優しく味わいの要素を次から次へと伝える、私のワインリストの最上の白ワインでした。
さて日曜日はアンリジャイエがターゲットです。

 Sommelier R.Imamura