Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ヴィンテージ

大して忙しくは無いものの結局、息つく暇も無い昨夜の営業でした。まあ、個人的にはそのくらいのほうが落ち着くのですが・・・・・。
・Chateau La Mission Haut Brion’69 Graves
・Chateau Pichon Laland’75 Pauillac
昨夜はこの2本に尽きると言うか。中盤と後半に二度のご来店はありがたく。ただ、時間が変わればシュチュエーションと共にお連れの方の様相は様変わりするもので。
ヴィンテージ’69、奥様の妊娠のお祝いを男性お二人にて。ご主人さんの産まれ年はボルドーでは難しくブルゴーニュでは最高の。ご予算の都合とは言え素晴らしきラミッション、コルクは残念ながらぼろぼろに砕けてしまう状況ながら個人的には甘く儚げな印象ながらもボルドーの古酒に求める優雅な味わいにオフながらもポテンシャルを感じずにはいられない流石の一級シャトーの趣を。男性おふたりで飲み込むには何とも贅沢な1本かと。
ゆっくりと流れる時間に気がつけば2:00を回っており、先日のバーテンダーさんの再度のご来店など気も緩んでおりましたが、先のムッシュよりまたもや今度は’75の手持ちの確認とご利用に。正直ボルドー・ルージュを3種ほどしか選択肢として手持ちは無く。極上の伯爵婦人をお選びいただけたのも私にまで気を使われたようですがこの時間らしく祇園のお姉さんを両手に華にて。’75は理解できましたが’90と言う彼女にはジェネレーション・ギャップを感じずにはおられませんでしたが、それでもそれほど会話に問題点などは感じさせないところは流石でした。まあ、洗練されたワインには似つかわしい会話がほとんどではありましたがそれはそれで。微妙に弱みも握られていたようにも。
ラランド’75は’69の後だけに随分硬く、33年の時の経過を短く思わせられ。彼女に求めるしなやかで浮遊感すら感じさせられるニュアンスは時間が必要な気が。それでもデキャンタージュ後の香りの拡がりに隠し切れない妖艶さは十分に。
うーん、手強さを感じずにはいられない腹ペコな4:00でした。

            Sommelier R.Imamura