Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

世の中は・・・

おそらく祇園中が沸いた土曜日だったのでしょうが、世の中は上手く出来ているものですね。金曜とは打って変わって、上手く行かない難しい晩で。唯一の救いは連日のタイミング的にお席がご準備出来ずにお断りせざる負えなかった新潟からのご無沙汰のムッシュに最後の最後にお掛けいただけたことくらいかな・・・・。
・Pinot Noir’95 Robert Mondavi
ここのところ登場回数の多いカリフォルニアの巨人ですが、今宵はトラブルを抱えてしまい。
現実にはこのお商売はやはり何度かお付き合いが無ければ本当の意味でのお好みなどソムリエとて解かるはずが・・・・。お初のゲストでしたので、ましてやジェントルな物腰のムッシュには出来る限りの対応を心掛け。
この’95以前扱わせていただいた1本が、無残なコルクの真っ二つで。’70年代でも上手く抜けることも考えると何かコルクに問題が考えられ。ただ、品質的にはとても健全でブルゴーニュとは異なるやや酸の穏やかな甘みを蓄えた熟成したピノノワールと言った感じで。今回はリスク回避の為前もってこの旨お伝えしてソムリエ・ナイフを添える前に「コルクが折れてしまうかもしれません、以前の1本はそうでしたので」と。
案の定技術不足と言うか気持ち良い程真ん中から。テイスティングでは破片を少し飲み込みながらも十分な美味しさで。問題はホスト・テイスティングが。解かるんですけどね、13年ほどでコルクにトラブルが有るのであればネガティブなお気持ちも。ただ、その趣旨が「酸が余りに少なくない?」でしたので残念ながらそれはクレームの対象には・・・。ご注文頂く際に「このワインは酸味はまだまだ活き活きしてるかな?」などのご質問が有られれば違う状況もございますが。
基本的には健全であるか不健全であるかがテイスティングの目的で。その上でデキャンタージュの必要性やグラスの形状の選択などの検討が為されるのですが。
結果はゲストのお一人がピノノワール好きがおられその方の「美味しいじゃない」の一言で事無きを得たのですが、偶に本当に偶に起こるこう言った状況はまたひとつ勉強をさせられます。如何に気持ちよくお互いの趣旨を汲むかと言う部分で。
正直、難しいなあと言うワインは素直に認める性質ですが。

             Sommelier R.Imamura