Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

残されていた・・・・

やはり連休が絡んでくると幾分普段のご常連さん方はなりを潜め。こんな時に新規の顧客の獲得が求められるのですが、やはり時間帯は確実に22:00ごろからの皆様のご来店でした。前半の閑散とした状況から久しぶりの満席に賑やかながらも、プライヴェートの芸妓さんのご来店で一段と華やかに。後半は今週の疲れがドッと出てまいりましたが、全体的には早い引きに。
・Nuits Saint Georges Au Bas de Combe’97 J.Cacheux
ワイン・リストの作成時やグラスのアイテムを検討する際に、おそらくもっとも悩まされるエリアがブルゴーニュのニュイでしょう。特にヴォーヌ・ロマネですが、そこに劣らない実力を発揮するニュイ・サン・ジョルジュ。全体的に骨太な酒質を誇る村ではございますが、このジャック・カシューは’97で。熟成の一段落を迎えた貴重なこのボトルは西村さんがほんの少し残されていたようで。偶に隠していたでしょう?と疑いたくなるようなお利口なワインをお持ちになられる彼に感謝してしまうグラスでも使用可能な素敵な1本。
とはいえ実際は、10年でもまだまだしっかりとタンニンの強さは残り開けたては気難しさを放ちます。次第に滑らかな質感の熟れた渋みに変化しており、そこからがブルゴーニュの官能美の世界へと。なんとも優雅なプラムの中に紅茶、シガー、ヒヤシンスの花のアロマを感じさせ。また何処かしらサラミのような薫香や焼き栗のほっこりしたニュアンスも。
ヴォーヌ・ロマネを本拠に置く彼らのエチケットには、あの王様の畑をイメージさせる十字架のモチーフが描かれているものもあり、お隣の村とは言えブルゴーニュのワイン畑巡りをされたことが有られる方には感傷的にも捕らえられる心をときめかせるデザインでもあるでしょう。
今宵もグラスとボトルで数本抜栓いたしましたが、冷静に考えるととても贅沢な行為かと・・・・・・・・・・・・。
ただ、ある男性はこちらを2杯飲まれたところを見ると意味のある選択肢の1つに感じられます。
明日は休肝日に。

               Sommelier R.Imamura