Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

707

何となくダラダラと締りのない昨夜でしたが、全ての方々ではないものの面白みの感じ方は人それぞれで。
・Fixin’96 Vincent et Denis Berthaut
・Cabernet Sauvignon Bin707’97 Penfolds
珍しく夜半がけのドクターは、ハーフ・ボトルのフィクサンを。正直リスクの感じられるものだった予感がありましたが、こちらには理解が得られる可能性が。ヴィンテージ’60のムッシュは、長いお付き合いに成りつつあります。何度か’60のボルドーや’73のブランなどお持込ながらもご一緒させていただき関係は築かれていった感が。
幾分お疲れなのか「もうワインは、飲めない気力だと」おっしゃられ。そんな方こそ、いつまでもお元気なのですがこのフィクサンも若いころのただ酸が主張するだけの厳しさなど微塵も。予想以上の華やかさで甘みのバランスはこの造り手のやや不気味なエチケットからはイメージし難いほど素晴らしく。
帰られる時に冗談で、「セラーの中のコレクションは、全て君にいつかあげるよ」とおっしゃられたのは微妙でしたが。
ワインの選択はリストの中からは、色々な考えかたが。今宵は鉄腕アトム世代のムッシュが購入された新車のプリウス購入記念と称して。おそらく前の自家用車を10年乗られたのかな?ヴィンテージ’97を。先日もボルドー’97のネガティブさをつぶやきましたが、気づけば’97ボルドーはモンローズしかなく。そこで選ばれたのは、パーフェクトなほど納得のいくペンフォールドの707。おそらくフランス・ワインとは比較にならないほど漲る力と少しずつ遷ろうオリエンタルなニュアンスはグラン・ヴァンの証。エコの感覚と未来を描いた手塚作品に思いを寄せるムッシュの世代の方にはノスタルジーもまた貴重な感覚でしょう。うーん、ミニはきっとエコではないだろうな。
あと、707のエチケットは無事完全な状態でラベル・ブックに追加されました。

              Sommelier R.Imamaura