Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ぶどうの樹の光

都踊り真っ只中に於いて、中々平素からご利用いただけている芸妓さんがたのご利用が遠のいておりました。確かに華やかな季節故体力的にもお忙しく。偶の休日にもご贔屓の東京からのお客様に呼び出しをされ、ほぼノーメイクのお顔ながらもありがたいことに、私共であればとのご指定をいただけ。ただ、残念だったのは彼らのご利用に対して終始寄り添うことが可能なお店の状況が。
普段からシャンパーニュと甘口の白にて過ごされる彼女も、流石にゲストの「何か赤ワインでも飲もうか?」との問いかけに内心は、躊躇されながらもひとつ返事で。この辺りの粋な姿に可愛がられる方々のプレステージも伺えます。最近は祇園街でも、後の状況ばかりを見つめられ食事時でもグラス1杯を飲み込まれないお姉さん方も随分見受けられるだけに・・・・・・。
さて、そんな今宵のセレクトはイタリアよりルーチェの名指しはスマートな選択でお好きな銘柄があられるのはお互いにとって安全なもので。ただ、こちらに於いても現状のヴィンテージは’96’97でより熟成感も感じられる洗練されたトスカーナ。サンジョヴェーゼとメルローからなるこのオーパス・ツーはオーパス・ワンより既にしなやかで、柔らかさが持ち味。まあ、それ以上にイタリアらしい鮮やかな放射状のラベル・シールとネーミングに参ります。ルーチェ・デッラ・ヴィーテ、ぶどうの樹の光。オーパス・ワン同様ワインに関しても芸術感が問われる部分もあるだけに、カウンターに立たされるボトルの華やかさは申し分なく。
ただ、このワインが世間を賑わした10年ほど前かな?あるイタリアン・レストランでまだ全く熟成もしていないのに¥10万円ほどのプライスが掲げられておりそれが売れることもまた微妙なことでは・・・・・・・・。
それでも、もうこの辺りのヴィンテージも探し難い時期ではないでしょうか。
桜の話題もそろそろ聞かなくなりつつ。これからはゴールデン・ウィークの流れが気がかりに。

               Sommelier R.Imamura