Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

フランスの二大産地

21日は寒波の影響も少なく、また不吉な事態も起こらずワインバーは前半のバタツキも。今宵は、私共の主力アイテムのフランスの二大産地より極上のグラン・ヴァンが 
・Latricieres−Chambertin’79 
                Louis Trapet
・Chateau Margaux’76 
この秋に5本ほど手に入れたラトリシエールは、抜栓直後より湧き上がる大量のブーケに一瞬にして恋に落ちてしまう私のお気に入りの1本。教えてあげたくなかったこの1本は「ブルゴーニュの君のお薦めは?」とのご常連の問いにおもわず告げてしまいました。何度試しても蔵出しの正規品は抜群の安定感で何の不安もなくカウンターを跨いでいきました、いつも通りのコーヒーの焙煎香とカカオをグラスは身に纏いながら。久し振りのテーブル席のご常連は、たくさんの紙袋を下げながら「ちょっといいワインを」と言い失楽園さながらの五大シャトーを’70年代の白亜の城は苦しんでいたものの予想以上の状態の良さに、ヴァ−スデイ・ヴィンテージの祇園のお姉さんはコルクを握り締めお持ちになられました。ブルゴーニュとは違う濃密な果肉のコンフィのアロマを放ち、凝血のあとに現れるドライの薔薇のブーケはこの時期の意味深なお二人にはとてもとても・・・・・・・・。慌ただしいカウンタ−を離れたテーブル席には素敵な時間が流れていたかと。おまけはイタリアから 
・Chianti Classico Casuccia’87 
                  Castello di Ama 
エチケットの損傷が激しくクレームの対象になった特別なキャンティはドライ・イチジクの甘味を含みモダンなトスカーナを表現しておりました。いつもは温和なマダムがお仕事の上役の方に詰問される風景は別世界を。そして、24日のご予約のムッシュは今宵は珍しくお一人でラグランジュの’98を。イヴにはラフィットの’85かマルゴーの’66のどちらかを選ばれるようです。お生まれが’66のこの方にはどちらをお薦めするか悩ましく・・・・・。 
                Sommelier R.Imamura