Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

すれ違い

ワイン・バーでの楽しみは何もワインとの出会いだけでは無く、偶然のワイン・ラヴァー同士の繋がりもまた楽しいもの。数少ない機会もふとしたところから隣り合わせたゲストがボトルを分かち合われたり。
以前、そんな男性同士でシャンパーニュを分け合われまたいつか偶然の再会があればとお席を立たれたお二人に今宵は、5分間のすれ違いが。中ごろの時間帯にお越しになられ終電を見越して席を立たれ。そのすぐ後に横浜からのゲストは扉を開けられ。思わず「あと5分早ければ!」と声にしてしまい。またの機会と残念がられましたが、そんな兼ね合いでこの方もお一人でのボトル・ゲストになられておりました。
・Hermitage Chante Alouette’90 Chapoutier
ローヌ渓谷の特別な造り手の一人、ミシェル・シャプティエ。個人的には、どおしても華やかなギガルに重きを置きたい感が否めませんが、その次の価格帯の重要さを持ち合わせたドメーヌでは。近年はプライス的にも驚くほどしのぎを削る二つの生産者は、モダンなスタイルをも持ち合わせており、このエリアの古典的な造り手ともまた異なる魅力が感じられます。
さて、今宵の白ワインの’90はこのエリア特有のエッジに粘りが豊富でグリセリンの濃密なボディを。それでもぼったりと入り込むスタイルでは無く、優しく寄り添うように近づきながら後半にしっかりと強い印象を残すある種、憎い上手さを兼ね備えた上質なもの。
今回も私のほうが、量的にはいただいてしまった感じでしたが酒量は足りられましたでしょうか?これに懲りられずまた京都を素通りされずに祇園を目指してお越しください。

            Sommelier R.Imamura