Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

お久しぶりの

昨年末からおそらく二ヶ月ぶりくらいのブルゴーニュの彼女のご来店に、世界中を飛び回られるグレーヴァルな世界観とビジネスの多様化が痛いほど。高騰するワインの現状にも、例えばあの特別なシェフ”トロワグロさん”にも顧客として認められておられるようで難なく特別なワインを市場価格では有り得ないほどお安く手に入れられておられ。また、ヨーロッパ圏内でもソムリエがやっきになりながら探すボルドーの特別も一体日本国内では誰が儲けておられるのだろうと嫉妬を覚えるくらいお安く求められておられ。
そんな彼女は年末年始もフランスでステージの違いをまざまざと感じさせるワインに舌鼓をうたれた様で。携帯の画像からは現在では使用されていない筆記対のDRCのエチケットが。ロマネ・コンティ’34’45ですって。何ともまあ・・・・・・・。ご自身的にはお好みでは無かったようですが半世紀以上を越えてきたワインの王様は一体どんな表情を見せてくれたのか興味は尽きません。そんな彼女は今宵お連れの男性のヴァースデイ・ヴィンテージを
・Corton Marechaudes’60 Antonin Rodet
ある意味冗談を込めて恩を売られた彼女でしたが、その辺りも含めてきっと彼女の魅力なのでしょう。そうそうたる交友関係をお持ちながらもある種の大阪のおばちゃん感覚も持ち合わされ、しっかりディスカウントもいたしましたが。珍しいヴィンテージ’60はかなりサイズの大きなネゴシアンのものですがリコルクも施され非常に綺麗な酒質にノスタルジーは穏やかなもののワインの生命力の強さをしっかりと伝えてくれ。ラズベリー・シロップのような甘酸っぱいニュアンスに口中が覆われブルゴーニュの特別なものはそろそろ限られた方たちの特別な嗜好品へと急速に加速していく感覚が私の中でも芽生えてきつつ。
日本におられる期間も一段と短くなられる彼女のようなワイン・ラヴァーにもご利用いただき可愛がっていただけるのはとても有り難い事では。

              Sommelier R.Imamura