Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

ヴィンテージ1898

先月末に投函いたしましたダイレクトメールの”あて所に尋ね当たりません”のリターンが10通も。よくよく見ますとどうりで10通中9通が同じ会社の方々でした・・・・。しかも10通全てが製薬会社のもので・・・。1社は吸収合併のようですので致し方ないですが、ご時世でしょうか。
で昨夜の世紀を2回超える初体験は
・Beaumont des Crayeres Cuvee Nostalgie’97
・Bollinger Extra Dry 1898
・Dow’s Vintage Port’70
・Chateau Giscours’81 Margaux
前半からゆっくりとした時間が流れながらも息つく暇が無く、有難いものです。
限られたお時間の祇園町のお姉さんには、ご指定のお料理のご準備をこなしながら’97のノスタルジーを。当然ながらの中々熟れた熟成感を醸し出すこのキュヴェは、残り2本のみ。大切に使いたいですが1本は取り置きに・・・・・・。

初体験でした、待ちに待った 本当に100年以上を経過したシャンパーニュ。ヴィンテージ1898、もちろんこのボトルは海底から引き揚げられたものでもなく状態に関しても正に開けてみなければ。こう言った条件下でもご所望いただけたゲストには相変わらず感謝を。またひとつ経験値を上げていただけたことにも心より。
抜栓はペンチが必要なくらい、コルク自体はもう栓の役割を辛うじてで。色調は一瞬 ”水?” ですがグラスを満たすと淡いオレンジの色調に。この時点で嫌の予感と期待が交錯して。
香りは微かにレモン・ピールの印象が上がり。テイスティングで、変な表現ですが 味が有って良かった。そんな感じで。ただ、徐々に味が蘇ってくる感じの滋味が。113年の時を経てこの希少で、もう二度とお目にかかることも無いであろうボランジェへのオマージュのような一時で。
合わせてこちらのムッシュ、変わらず他のゲストにも振る舞っていただきこちらも感謝いたします。
で、シガーを燻らしながらの何時ものように2本目はヴィンテージ・ポートへ。最近はこのカテゴリーの仕入れが滞っておりますが、’70のやや熟成した甘美な黒糖。今宵、飲み切れませんでしたがボランジェの1898の余韻を引きづりながらも優雅なデジェスティフで。
お隣のドクターは、珍しく単独行動で。’80年代は色々と物議をのシャトーですが、酸とビターな味わいがやや主張する意外にパワフルなボルドー
今宵は何をか言わん 素晴らしい晩だったことには違いなく。最終のゲストの品に無い口説き方にお姉さんも唖然としておられましたが、無かったことにしよう・・・・・・。

                 Sommelier R.Imamura