Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

森の下ばえ

うーん、今月も先月に引き続き苦戦です。今週末の動きに期待しておりましたが昨夜は観光の方は別として中々。中盤からのひと時に輝きはありましたが。
・Chateau Pichon Laland’98 Pauillac
・Boizel Cuvee Sous Bois Brut’90
やはり殿方としては、素敵な女性を伴われると今宵はややいつもより!そんなワインを飲まれたい願望をお持ちの方もおられましょう。ひしひしと私には伝わってくるのですが、当のマダムは出来ればグラスにて切り抜けたいのが本音のようで。
立場上どうしたものかと、考えさせられますがこんな時にハーフ・サイズのボトルは威力を。お話の中ではブルゴーニュのシャンボール・ミュジニを。ただ、やはりリストの中からは躊躇される辺りに自制心と今宵の状況を心得ておられ。
結局、上手いこと話を切り抜けボルドーになる辺りも美しさだけではない知的な彼女に感心いたしましたが出来ればワインぐらいはお付き合いしてあげてよ!そんな気持ちも私には。
伯爵婦人の名を持つラランドは’98の硬さの中にふくよかな知性をじわりとにじませる2級の特別な1本。
お財布の紛失が伺えば伺うほど解せない内容ですが、切り替えていただければ。お供をされた他の私どもの顧客も半ば冗談ながら”僕じゃないよ”とおっしゃられるのも理解できる状況なだけに。
さて、そんな沈みがちな晩はシャンパーニュを。知名度はそれほどでもでしょうが、実は中々のビッグ・ハウス。ボワゼルのキュヴェ・スー・ボア、森の下ばえと言うやつですね。テイスティングに於ける官能表現にてよく使われます。熟成香のひとつで要は腐葉土やキノコなどマッシュルームなどの香りにも変化していくものなのですが、ボルドーの赤の熟成には必ずと言っていいほど。シャンパーニュには、あまり多用はしませんでしたがこれはこれで響きも綺麗なもので。
ヴィンテージ’90にしては、やや進みぎみの気もさせられるところがネーミング通りで余韻へと繋がる円みに偉大な生産年の姿が見て取れ。やはり、シャンパーニュが一番上手い完成されたお酒だと個人的には。

              Sommelier R.Imamura