Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

神様のお取り置き

まあ、何とも寂しい晩に辛さも。ここのところ危険な香りのワインを扱わせていただく機会は多いもののビジネスとしては打算的で最も危険な気がしてなりません。
・Gevrey Chambertin 1er’96 Varoilles
・Chateu Grolia’94 St Julien
ここのところ乞いにしていただいておりますこちらのムッシュは、短い時間ながらお顔を出していただけ。今宵はグラスにて、そんなご利用もありがたく。グラス・アイテムのセレクションと言うよりも仕入れが全てのような気もしますがブルゴーニュボルドーの2種を堪能いただき。
ヴァロワイユはジュヴレでも由緒正しき造り手、プルミエながらも熟成の段階も美しく香りのたち方がなんとも。萎れた薔薇のニュアンスにとても優雅な赤ワインを楽しんでいる姿が想像され。味わいも滑らかに酸が適度な主張を促しフィネスを。
グロリアはクリュ・ブルジョアながらもワイン通ならば皆様。サンジュリアンらしく纏まりの良さに、90年代前半のなかのスターのような存在の’94は今正にボルドー好きには飲み頃でしょう。個人的にはやや後半のタンニンが気になりますが、こればボトルならばデキャンタージュにて芳醇な甘みに変化する妖艶さも。どちらかと言うと右岸好きのムッシュには、やはりバランスの良いこのアペラシオンがお勧めでは。
結果はやはりボルドー派を自覚される2種のテイスティングのようでした。
さて、先週の神様の使用に随分残念がられておられ。何となくこちらのムッシュもターゲットではあったのは本音ですが、そんなせえかお取り置きのご依頼を。そんなに出ていくワインではないのですがアンリ・ジャイエのエシェゾー’94を。今月のブルゴーニュ・ルージュに比べれば3倍くらいの価格になってしまうのでかなりの高額商品ですが、彼曰くもう無くなってしまう銘柄なので・・・・。おそらく来月とのことでしたが、セラーにてゆっくりと休ませておきます。
そういえば、このエシェゾー’94のアンリ・ジャイエ。3年前ぐらいですかね?ある同業者さんと知り合いのバーでDRCを2本空けた後に飲んだ記憶が。あの時は硬くて神様の偉大さは王様に怯んでしまう様子でしたが。今回はきっと私の記憶を覆す1本に為ってくれることを・・・・・。

             Sommelier R.Imamura