Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

戒め

日々の営業自体はなんら変わることの無い先週末土曜日の営業ではありましたが、気持ちとは裏腹に戒めをいただく状況も。何よりもおっしゃっていただくことに感謝の気持ちを新たに。
・Chassagne Montrachet Les Caillerets’98 Marc Morey
・Cote Rotie’85 E.Guigal
偶然と言うか随分、随分ご無沙汰ながらもこんな日に戻られるようにお越しの兼ねてよりの長いお付き合いの顧客のご来店に何かご縁を感じてしまいながら・・・・。
ほとんどを海外へお仕事に出向かれる学芸委員のご夫婦の久々のお越しは、別居と言う先方のご報告から始まりましたが住まいが離れられた単身赴任みたいな形だそうなので安心しながらも。
10年の時を経たカイユレは、素晴らしい照りを感じさせる黄金色に輝きデキャンタージュを促されるような絶妙な甘みを主張し。こちらも女性上位と思われるご夫婦の関係同様、お酒の強さもマダムが歴然と。ただ、昨日アムステルダムより帰国されたムッシュはまだ時差ぼけも現れておられないようで今宵お強く。久々の時間を楽しまれたのでは?
気を使われて。一息つくタイミングを見計らったようなお鮨の差し入れを抱えてお越しのムッシュには思わずいつもの悪い癖?なのでしょうか。それ以上に楽しませていただきましたが。’85はいつもこのところ裏切らない極上のヴィンテージで。ほろ苦いビター・チョコレートのようでありながらもムスクの香りを余韻に閉じ込めた妖艶なブーケはいやらしさをプンプンと放ち。こんな機会には是非最上のシガーを。ダヴィドフの100周年の特別なトルぺドはいかにも贅沢な葉を使用されているだろうと指先への感触すら飛び抜けており。しばしの紳士協定如き時間が。
問題はこの後でしたが、このところ土曜日はしばしばご利用のピアニストのムッシュ。個人的にも彼の音楽は優しく心落ち着く、ファンなだけにご指摘はお恥ずかしく。お相手にかまけて、下げられきれていないグラスの山に気持ちを削がれるとのお言葉はもっともで。以後、改める部分かと。
合わせてこの夜お気使いいただきました皆様方には感謝の気持ちを含めまして今後ともよろしくお願いいたします。

              Sommelier R.Imamura