Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

土曜日は

燦燦たる土曜日を思い出しながら。
・Morey Saint Denis’84 Jean Lefort
・Chateau Pontet Canet’87 Pauillac
・Chateau de Valandraud’99 St Emilion
18:00からスタートした今宵も魔の土曜日で。4月とは言いながらも穏やかな動きの時は、ゲストには失礼ながらも軽く苦言を呈されるほどの閑散さに。
そんな中実際には、ほぼこちらの方と最終のマダムがシンデレラを飲み込まれたぐらいのそれはそれで。
モエ・シャンドンに変わるくらい市場でも何か品薄な状況があるヴーヴ・クリコのロゼからのムッシュ。後半にマダムもお越しになられ結局ブルゴーニュボルドー、オーストラリアと計4本を。
ジャン・レフォールは、今のブルゴーニュの個人的なヘヴィー・ローテーションで。村名ながらも落ち着いた熟成感と繊細な味わいの中に現実的な価格が有るべき姿を。まあ、こちらも気が付けばあっと言う間の世界でしょう。きっと。
やはりこちらも時間が産み出すワインの魅惑的な味わいで。20年の時の流れに強固なカベルネ・ソーヴィニヨンもまた誘惑を誘い。それにしても難しい作柄と言われる’80年代の’84’87に儚げでは有りつつもワインに求めるノスタルジーがひしひしと。腰を据えた感覚がまた他の酒類には無い複雑なもので。
やはり3:00からのいかつさが。フランスでありながらも何処かしら異なる世界の味わいが漂い、世界のワイン・トレンドをリードした時期も。何にしてもこれほど価格の上下が激しく推移しプロの仕入れすら悩ませた最たる1本でしょう。現にピークのときの買い付けをせざる負えなかった方々は未だに私のリストの価格を驚愕させる価格でリストに載せ続けておられるので。まあ、それでもボルドーを代表するこのシャトーの人気はやはり品質に裏打ちされるだけのことは有り。少し熟成してはおりますが、まだまだパワフルでスパイシー。メルローのしなやかさにチョコレートのリキュールを溶かしこんだかのようなシンデレラ・ワイン。酔われながらも結局しっかりと飲み込まれるマダムの男前な姿に感心いたします。

            Sommelier R.Imamura