Budounokura’s blog ソムリエの つぶやき

京都 祇園のオールド ヴィンテージ ワインバー 店主のソムリエの 日々の つぶやき です!

偉大なシャンパーニュ

毎晩、凄まじいほどのボトルが飛び交っているような気がいたしますが個人的な記録と言うか。この”つぶやき”には基本的に嘘は一言も無く。昨夜も後半は持ち返しながらも肝臓との戦いを必死にこなした晩で。ただ、いただいている瞬間は本当に美味しくて。
・Gracia’97 St Emilion
・Ruinart’90
・Dom Perignon’78 Moet et Chandon
・G.H.Mumm & Co Champagne Rose’66
・Tignanello’80 Antinori
グラシア’97。ファースト・ヴィンテージながら個人的にも淡い思い出が詰まった1本で。パワフルな路線の印象は熟成とともにエレガントに。あの時飲み込んだ味わいにはチョコレートの風味をいっぱいに閉じ込めていたのに。
少し価格を下げたボトルに変更したい。そんなご意向にも無碍にはさせていただきたくない。だから、幾分いつもよりは若いヴィンテージになってしまいますがリュイナールの出来の良い’90ならば。泡の質感に溌剌さが気になられるのは致し方無い。確かに今宵の中ではシャープな印象は否めないので。
明けましておめでとうになってしまったお二人は、婚約の儀などで慌しくされていたらしく。待ちに待ったドン・ペリニヨン’78はやはりやはり。まだまだ、元気な酸の力はあるもののバランスの取れたフィノ・シェリーのニュアンスに蜂蜜を。色々あられたムッシュにも遂に、と言った感じでしたがきっとあの豪快なお父さんの喜ばれたお顔が思い浮かびます。
ランクとしてはそこまででは無いものの、素晴らしいシャンパーニュもう1本。40年以上の時の流れにロゼの色合いも琥珀色を帯びており、香りにはアモンティリャードの濃密でひねたニュアンスもぞくぞくと。ネックにあしらわれた薔薇の一輪も思わせるような萎れた香りも今宵の深夜には相応しく。
最後の最後は、ムッシュが戻られ。イタリアの野心的なキュヴェの熟成を。もう、ただ飲み込めないくらい今宵はいただいており。非常に申し訳なかったような。少し噴き気味のコルクの状態に違和感は覚えたもののサンジョヴェーゼにカベルネブレンドしたこのティニャネロもイタリア・ワインを意識させてくれた最初に1本だったかもしれない。個人的には十分な熟成感でしたがマダムには強い印象が気になられたような・・・・・・・・。 R